【保存版】カボチャの露地移植栽培ガイド|初心者から農家まで失敗しない育て方
こんにちはチーパパです。
今回もカボチャ!!
カボチャは栽培が比較的やさしく、つるがぐんぐん伸びて大きな実をつける姿を楽しめる人気の野菜です。
その中でも露地移植栽培は、管理がシンプルで収量も安定しやすく、家庭菜園にも農家経営にもおすすめの作型です。
この記事では、『新 野菜つくりの実際 果菜II(ウリ科・イチゴ・オクラ)』(川城英夫 編)を参考に、カボチャ露地移植栽培の手順・コツ・注意点・収益性を徹底解説します。
カボチャ露地移植栽培の特徴
- 手軽さが魅力:特別な設備がなくても育てられる
- 収穫までの日数:播種から約100〜120日で収穫可能
- 楽しめるポイント:開花や果実肥大、果皮の色づきを観察しながら育てられる
トンネル栽培との違い
- トンネル栽培 → 播種を約1か月早められ、初夏収穫も可能
- 露地栽培 → 準備が簡単、コストも低い
他作物との組み合わせ
- 北海道など寒冷地:カボチャ単作が一般的
- 温暖地:ホウレンソウ・コマツナ・ダイコンなど秋冬野菜と組み合わせると効率的
栽培で失敗しやすいポイント
- 肥料過多
→ 葉やつるばかり茂り、着果しにくい - つる整理の遅れ
→ 株元が込み合い、病害の原因に - 収穫の早採り
→ 食味が落ちてしまう
美味しいカボチャを育てるコツ
- 肥料は控えめに
- 着果日を確認して適期収穫(開花後45日が目安)
- 株元を風通しよく保つ
栽培手順と管理ポイント
育苗
- 播種:25℃前後で管理、3〜4日で発芽
- 鉢上げ:双葉の時期に早めにポリ鉢へ
- 温度管理:前半は高め(昼20〜28℃)、後半は低め(夜10〜13℃)で花芽分化を促す
- 育苗期間:30日が限度(根が老化する前に定植)
定植
- 圃場準備:pH5.6〜6.8に調整し、高ウネ+マルチで地温を上げる
- 植付け方法:根鉢を崩さず浅植え、株間は100cm程度
- 防寒対策:遅霜リスク時はホットキャップやベタがけ
定植後の管理
- 整枝方法
- 主枝仕立て → 一本立ち、早期収穫向き
- 側枝仕立て → 子づる3本仕立て、収量重視(最も一般的)
- 主枝+側枝仕立て → 収穫の早さと収量を両立
- 人工授粉:朝8時までに雄花を摘み、雌花に花粉をつける(8〜10節に着果させるのが理想)
- 摘果:7節以下の果実は摘み取る(変形果防止)
- 追肥:つるの伸びに応じて軽く施肥(過肥は禁物)
- 玉直し:収穫10日前に果実の位置を調整し、色むら防止
収穫と貯蔵
- 適期の目安:着果後45日前後、果梗部にひび割れ、果皮に爪が立たなくなる頃
- 収穫方法:果梗を短く平らに切り取る
- キュアリング(風乾処理):25℃で10日ほど乾燥させると貯蔵性・甘みが増す
病害虫対策
- 代表的な病害:うどんこ病(葉に白い粉状のカビ)
→ 病葉は早めに摘除
- 農薬に頼らない工夫
- 輪作で連作障害を防ぐ
- 高ウネ+排水改善
- 栽培後の残さを圃場外に搬出
まとめ|カボチャ露地移植栽培は“手軽さ+収益性”が魅力
- 初心者向けポイント:肥料控えめ・つる整理・適期収穫
- 農家向けポイント:整枝法を工夫し、収量と品質の両立を図る
家庭菜園では「楽しく・おいしく」、農業経営では「効率的に・収益を確保」することが、カボチャ栽培の成功の秘訣です。
収穫の手間が激しいのがカボチャ。
近隣の方などを集めて楽しく収穫していきましょう!
参考文献
・『新 野菜つくりの実際 果菜II(ウリ科・イチゴ・オクラ) 』 編者: 川城 英夫
・新・北海道の病害虫ハンドブック
・日本土壌協会『有機栽培技術の手引(果菜類編)』