堆肥を入れると肥料を減らせるって効くけど、、、実際は?

農業
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堆肥を入れるとどれくらい肥料分が効くのか?〜牛ふん・鶏ふん・豚ぷん堆肥の違い〜

どうもチーパパです。
今回は堆肥について。

はじめに

有機物を土に補給しながら肥料成分も供給できる堆肥は、土づくりの基本資材です。
しかし、、、

堆肥を何トン入れれば、どれくらい肥料分として効くの?

という点は意外と分かりにくいものです。ここでは、牛ふん堆肥・鶏ふん堆肥・豚ぷん堆肥を例に、肥料分の目安を整理してみます。

 

堆肥の肥料成分とその考え方

堆肥に含まれる窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)はすべてがすぐに効くわけではなく、一部が分解・溶出して植物が利用できるようになります。設計の際には「有効成分量(肥効率を考慮した値)」を使うのが基本です。

たとえば牛ふん堆肥を 10aあたり2t施用 した場合、有効成分量ベースで 窒素4.5〜7.5kg が効くとされています。

各堆肥ごとの肥料分の目安

1. 牛ふん堆肥

  • 特徴:C/N比が高く、土壌改良効果が大きい。即効性は弱い。
  • 施用量:10aあたり2t
  • 有効成分量の目安
    • N:4.5〜7.5kg
    • P:5〜7kg
    • K:6〜10kg

2. 鶏ふん堆肥

  • 特徴:N・Pが特に多く、即効性が高い。過剰施用で塩類濃度障害に注意。
  • 施用量:10aあたり1t程度(多くても2t以内)
  • 有効成分量の目安
    • N:8〜12kg(1t施用時)
    • P:12〜18kg
    • K:8〜12kg

3. 豚ぷん堆肥

  • 特徴:バランス良くN・P・Kを含み、肥効も比較的安定。水分が多いため、完熟度の確認が重要。
  • 施用量:10aあたり1.5〜2t
  • 有効成分量の目安(2t施用時)
    • N:10〜14kg
    • P:10〜14kg
    • K:9〜13kg

まとめ:堆肥の肥料分の目安(10aあたり)

堆肥の種類 施用量 N(窒素) P(リン酸) K(カリ) 特徴
牛ふん堆肥 2t 4.5〜7.5kg 5〜7kg 6〜10kg 土壌改良効果大、肥効はゆるやか
鶏ふん堆肥 1t 8〜12kg 12〜18kg 8〜12kg 即効性が強く、Pが特に多い
豚ぷん堆肥 2t 10〜14kg 10〜14kg 9〜13kg バランス型、肥効も安定

おわりに

堆肥は「土を育てる」資材であり、肥料分を供給する効果はあくまで副次的と考えるのが基本です。ただし実際の施肥設計では、堆肥から供給されるN・P・Kをしっかり計算に入れることで、化学肥料を削減し、コストダウンや環境保全につながります。
土壌の性質や作物の要求量に合わせて、牛ふん・鶏ふん・豚ぷんを上手に使い分けることが大切です。

堆肥が手に入る方は資産と思って有効活用し、
美味いものを作りましょう!

参考文献

・新しい土壌診断と施肥設計  (著)武田 建
・農業技術体系 土壌施肥編 第7-1巻 資材の特性と利用

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