【失敗せずに済む】「強いはずの薬が死なない」シロイチモジヨトウで起きていることと解決策2つ

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【失敗せずに済む】「強いはずの薬が死なない」シロイチモジヨトウで起きていることと解決策2つ

こんにちはチーパパです。
今になかと話題となっている害虫シロイチモジヨトウ。

今回は、結局何を散布すればいいのかまとめました。

結論。ブロフレアSC(30)とファルコンフロアブル(18)で“抵抗性時代”を現実的に乗り切る。

※本記事は、農薬の一般的な選び方を整理したものです。使用前には必ずラベルと登録内容(適用作物、希釈倍数、使用回数、収穫前日数など)をご確認ください。(農薬登録情報提供システムの確認が最優先です)

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読んで欲しい方

  • 新しい害虫としてシロイチモジヨトウが出てきた
  • ベジホン/トクチオン/フェニックスを使ったが、思ったほど止まらない
  • 代わりの選択肢や、効かせ方の“型”を知りたい

まず結論:「次の一手」を2つに絞ります

シロイチモジヨトウで「既存剤が効きにくい」状況になった時、候補は多すぎると逆に迷います。
そこで本記事では、次の2剤を軸に話を進めます。
(プロ農家から聞き取りした結果この2剤は評判よかった為)

  • ブロフレアSC(IRAC 30):新規作用機構で、既存剤に抵抗性を獲得した害虫にも効果が期待され、速効的+残効3週間程度+耐雨性が特徴
  • ファルコンフロアブル(IRAC 18):脱皮促進(IGR)で摂食を止めつつ、天敵・有用昆虫への影響が少なくIPMに組み込みやすい

なぜ「ベジホン・トクチオン・フェニックスが効きにくい」が起きるのか

ここ、感情論になりがちですが、原因はだいたい3つです。

① 抵抗性(感受性低下)で“死なない”個体が混じる

シロイチモジヨトウは、地域や個体群で薬剤感受性が変わることが知られており、
有機リン系・ピレスロイド系などで効果が低い事例が報告されています。
さらに、抵抗性は「その薬だけ効かない」で終わらず、同じ作用機構の連用でリスクが上がるため、IRACの作用機構分類に基づくローテーションが推奨されています

 

② 幼虫が進むと効きにくい(+葉の中や株元に入り、薬が当たりにくい)

若齢幼虫のうちに防除する重要性は、自治体の防除情報でも繰り返し強調されています。
中齢以降は効果が落ちるだけでなく、食入で薬が届きにくくなるためです。

③ 「効くはず」でも、散布ムラで“効いた気がしない”になる

シロイチモジヨトウは葉裏や陰にいることが多く、当たり方が結果を左右します。
薬の格より、まず“当てる”が大事です(後半で散布の型をまとめます)。

まずは整理:ベジホン/トクチオン/フェニックスの「中身」と立ち位置

「強いイメージ」の正体は、作用機構とスペクトラムです。
ただし、それがそのまま“今も効く”を保証しません。

ベジホン乳剤:有機リン+ピレスロイドの混合(広く効くが、抵抗性の壁に当たりやすい)

  • 有効成分:ジメトエート(IRAC 1B)+フェンバレレート(IRAC 3A)
    → “昔から強い”と言われやすい一方で、1B・3Aの連用が続くと効きにくさが出やすい領域でもあります(個体群差が大きい)。

トクチオン乳剤:有機リン(IRAC 1B)の代表格

  • 有効成分:プロチオホス、作用機構分類:1B
    → 「昔から効く」の象徴になりやすい薬ですが、有機リンに感受性が低い個体群が混じると、止まりが鈍く感じやすいです。

フェニックス顆粒水和剤:ジアミド(IRAC 28)で“摂食停止”が強い

  • 有効成分:フルベンジアミド 20%
  • 作用機構分類:28
    → 本来はチョウ目に強い設計ですが、ジアミド系に関してはシロイチモジヨトウで感受性低下の話題も出ています。

“強いはずの薬”で死なないのはなぜ?(他剤との違いが分かる話)

※農薬相談の現場でよくある質問を、判断に使える形に編集しています。また北海道、九州、本州での情報も付け加えさせて頂きました。

チーパパ

シロイチモジヨトウが出て、まずベジホンやトクチオン、フェニックスを使ったのですが、あまり止まらない感じでした。昔は「強い薬」のイメージなのに、なぜでしょうか?

防除担当(Aさん)
薬が弱いというより、害虫側が変わっている可能性が高いです。
シロイチモジヨトウは個体群で薬剤感受性が変わり、有機リン・ピレスロイドで効きにくい事例も報告されています。
その結果、「昔から強い」の印象があっても、**“死なない個体が混じる”**状況が起きます。

 

チーパパ

フェニックス(ジアミド系)はチョウ目に強いはずですが、それでも止まらないのは?

Aさん
2つあり得ます。
1つは、幼虫が進んでいて薬が届きにくいこと。若齢で叩く重要性はかなり大きいです。
もう1つは、ジアミド系についても感受性低下が疑われる報告がある点です。
つまり「系統として強い」だけでは安全ではなく、作用機構を変えるのが現実的です。

チーパパ

「じゃあ次は何が違うのか」が知りたいです。ブロフレアSCとファルコンは、何が違いますか?

Aさん
大きく2点です。

  • ブロフレアSCはIRAC 30の新規作用機構で、既存剤に抵抗性を獲得した害虫にも優れた効果が期待されます。速効的で、残効も長く、耐雨性も特徴です。
  • ファルコンはIRAC 18で、食毒で脱皮を促進し、摂食行動を阻害して死に至らせます。天敵や授粉昆虫への影響が少ないことが確認されており、IPMに組み込みやすいです。

 

チーパパ

“抵抗性が怖い”時に、現場で一番やってはいけないことは何ですか?

Aさん
同じ作用機構の連用です。抵抗性が進むと、似た構造・同じ作用点の薬がまとめて効きにくくなる(交差抵抗性)ことがあります。
なので、IRACが違う剤でローテーションを組むのが基本です。

次の2剤:ブロフレアSC(30)とファルコン(18)の“違い”だけ押さえる

ここはスペック羅列ではなく、「既存3剤と何が違うか」に絞ります。

ブロフレアSC(30):既存の壁を越える“切り替え札”

  • **IRAC 30(新規)**で、既存剤に抵抗性を獲得した害虫にも効果が期待
  • 速効的、残効3週間程度耐雨性

👉 ベジホン(1B/3A)・トクチオン(1B)・フェニックス(28)と作用機構がズレるので、「効かない」を抜けるルートになりやすいのがポイントです。

ファルコンフロアブル(18):天敵も残しつつ“密度を崩す”設計札

  • 食毒で脱皮促進→摂食行動を阻害して致死
  • 有用昆虫・天敵への影響が少ない(資料・製品情報)
  • グループ18で、既存の1B/3A/28とズレる

失敗しない人が必ず押さえる「散布の型」

シロイチモジヨトウは、若齢で叩くのが重要で、中齢以降は効果が落ちやすいです。
だからこそ、次の“型”だけは固定してください。

散布の型(最低限)

  • 若齢のうちに(発生初期を逃さない)
  • 葉裏・株元まで当てる(上からだけで終わらせない)
  • 散布ムラを減らす(風の強い時間を避ける、十分な水量)
  • 同系統の連用を避ける(IRACでズラす)

まとめ:効かない時の現実解は「作用機構をズラす」+「若齢で当て切る」

  • ベジホン(1B/3A)・トクチオン(1B)・フェニックス(28)が効きにくい時、抵抗性や当たり方の問題が絡みやすいです。
  • 次の候補として、**ブロフレアSC(30)ファルコン(18)**は、作用機構がズレており、抵抗性管理の観点でも組み立てやすい2剤です。
  • ただし最後は、薬より先に 若齢で防除・散布ムラを潰す。ここを外すと、どんな剤でも「効いた気がしない」に戻ります。

参考・出典

  • 農薬登録情報提供システム:ベジホン乳剤/トクチオン乳剤/フェニックス顆粒水和剤/ファルコンフロアブル (pesticide.maff.go.jp)
  • 三井化学クロップ&ライフソリューション:ブロフレアSC 製品情報(IRAC30、残効、耐雨、抵抗性個体に) (mc-croplifesolutions.com)
  • Corteva:ファルコンフロアブル 製品情報/有用昆虫影響資料 (コルテバ)
  • 鹿児島県資料:シロイチモジヨトウの薬剤感受性(有機リン・ピレスロイド等の効果低い傾向、ジアミド系の感受性など) (鹿児島県公式ホームページ)
  • 茨城県:シロイチモジヨトウ防除(若齢防除、IRACローテ) (農業いばらき)
  • IRAC:作用機構分類体系・交差抵抗性とローテの考え方 (Insecticide Resistance Action Committee)
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