🔍【なぜ今年は葉がボロボロ?】大豆・枝豆に忍び寄る「コガネムシ」被害の見極めと最新防除対策【家庭菜園・プロ農家向け】
「葉が食べられてる?病気じゃない…?」と思ったら、それコガネムシかもしれません。
(この場合は分かるか、、、、)
どうもチーパパです。
前回に引き続き大豆、枝豆の葉っぱ食われ編です。
7月になると、家庭菜園や畑で育てている大豆・枝豆の葉がギザギザに食べられていることがあります。その主な原因が「コガネムシ」による食害です。
この害虫、実は成虫と幼虫の2段構えで攻撃してくる厄介な存在。さらに、年によって発生量が変わるため、予測と対策がとても重要なんです。
今回は、農薬防除の最新情報に加え、見落としがちな土中の幼虫対策や、天候と発生傾向の関係性、おすすめ資材など、実践的で収量を守るための内容をお届けいたします。
🐞1. コガネムシとは?|見た目と生態を理解する
- 分類:甲虫目 コガネムシ科
- 成虫の見た目:光沢のある茶色〜緑色の甲虫(8〜15mm程度)
- 活動時期:6月~9月(特に7月〜8月がピーク)
- 食害対象:大豆、枝豆、トウモロコシ、バラなど広範囲
📅2. 発生のサインと危険な年とは?
✅ 発生が多くなる条件:
条件 | 発生との関係 |
---|---|
冬の気温が低かった | 幼虫の越冬率が高まる |
5月上旬の気温が高かった | 成虫の羽化が早まり、数が増える傾向 |
放任草地・果樹園に近い | 越冬場所が近くなる |
→今年は要注意?
天候傾向から判断して、害虫予報アプリや近隣の観察情報をチェックしましょう!
🌱3. コガネムシの被害:成虫と幼虫でまったく違う!
▶ 成虫の食害(地上)
- 主に葉をレース状に食害
- 食害面積が20%を超えると収量に影響
- 生育初期・開花期の被害は特に致命的
▶ 幼虫の食害(土中)
- 地中で根をかじり、根粒菌の形成を妨害
- 突然の萎れ・立ち枯れ症状として現れる
- 幼虫の被害は見つけにくく、被害発見が遅れやすい
🚨4. 見落としがちな「生活サイクル」を押さえる
ステージ | 時期 | 特徴 |
---|---|---|
幼虫 | 秋~翌春 | 地中で根を食べながら越冬 |
成虫 | 6~9月 | 葉を食害し、土中に産卵 |
卵 | 夏〜秋 | 土中に産みつけ、ふ化して幼虫に |
📝温暖地では年1世代、寒冷地では1〜2年サイクルで回るため、地域ごとの防除タイミングが重要です。
🧪5. 防除の判断基準と実践的な防除法
✅ 防除の判断目安:
- 葉の被害率が20%を超えたら即防除
- 幼虫被害が疑われたら、根を掘って確認
🧪 【成虫対策】葉面散布で防除。各種農薬の比較一覧表
薬剤名 | 系統名 | 使用倍率 | 浸透移行性 | 効果発現 | 残効性 |
---|---|---|---|---|---|
マラソン乳剤 | 有機リン系 | 1000〜3000倍 | ◯(あり) | 速効性 | 短い |
ゲットアウトWDG | ピレスロイド系 | 3000倍 | ✕(なし) | 速効性 | 中程度 |
ヨーバル乳剤 | ジアミド系 | 5000倍 | ◯(あり) | 中程度 | 長い |
- 「◯」=浸透移行性あり
- 「✕」=浸透移行性なし
- 効果発現・残効性はおおよその目安です(作物や環境条件で変動あり)
🟨補足:登録作物と収穫前日数を必ず確認してください。
🧪【幼虫対策】地中の敵には粒剤! ダイアジノン粒剤5 !
薬剤名 | 系統名 | 使用倍率(倍) | 使用時期(収穫前日数) | 使用回数(以内) |
---|---|---|---|---|
ダイアジノン粒剤5 | 有機リン系 | ―(4〜6kg/10aの粒剤) | 収穫60日前まで | 1回 |
🔍幼虫被害は「目に見えないリスク」。成虫被害と合わせて、セットで防除することが収量減を防ぐ鍵です。
🛠6. プロ農家・家庭菜園どちらも使える追加対策
- ✅ 被害葉の早期除去 → 卵の抑制に
- ✅ 黒マルチの活用 → 産卵防止&雑草抑制
- ✅ 草地や雑草の管理 → 越冬場所をなくす
- ✅ 忌避植物の混植(例:ニンニク・ミント) → 天然の虫除け効果
- ✅ 被害の記録・写真 → 来年の判断材料に
📝まとめ|7月からの「葉チェック」で収量を守る!
✔️ 7〜8月はコガネムシの最盛期!毎週の葉チェックが必須
✔️ 成虫対策:マラソン乳剤・ゲットアウトWDG等で葉の防除
✔️ 幼虫対策:ダイアジノン等の粒剤を早めに投入
✔️ 黒マルチや混植、輪作も合わせて使うと効果倍増!
▶参考文献
- 新・北海道の病害虫ハンドブック全書
▶コガネムシに困っているあなた様に(成虫編)
マラソン乳剤
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ヨーバルフロアブル
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▶コガネムシに困っているあなた様に(幼虫編)
ダイアジノン粒剤5
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おいしい大豆、枝豆をたべれるよう対策していきましょう!