【完全保存版】ニンジンの品質を落とす「しみ腐病」徹底対策ガイド
ニンジンを収穫してみたら、根に黒い“しみ”のような斑点…。
見た目はもちろん、市場価価値まで落てしまう病気が「しみ腐病」です。
この病気は発芽前から根を侵す厄介者。。。
こんにちはチーパパです。
今回は、原因・発生条件・土づくり・薬剤防除まで、家庭菜園の方が今日から実践できる対策をまとめました。
1. しみ腐病とは?
※イメージ
- 原因菌:Pythium sulcatum(鞭毛菌類の一種)
- 発生部位:直根・細根のみ(葉や茎には症状が出ない)
- 症状:
- 根に水浸状の小斑点
- 褐色の円形〜長円形に拡大
- 進行すると軟化腐敗、細根は褐変し脱落
- 発生時期:
- 春まき夏どり:梅雨後半(6〜7月)
- 夏まき冬どり:秋の長雨後(10〜11月)
💡 他の作物(トマト、ダイコン、キュウリなど)には感染せず、ニンジン専用の土壌病です。
2. 発生条件と危険サイン
危険条件 | 理由 |
---|---|
連作(3年以内) | 菌は土壌中で数年間生存。発病歴のある畑は特に危険。 |
高温+過湿 | 地温20〜30℃+3日以上の過湿で一気に増加。 |
排水不良 | 水田転換畑や低地は雨後に菌が拡散。 |
収穫期の長雨 | 根部が長時間湿ることで症状が急激に悪化。 |
特に要注意なのは「排水不良+長雨」。
この組み合わせは発生の引き金になります。
3. 病原菌の特徴(知っておくべき理由)
- 土壌中で「蔵卵器」という硬い殻に包まれた状態で数年間生き残る。
- 発芽適温は約28℃。高温多湿期に活発化。
- 発芽前から種や幼根に侵入 → 苗立ち不良や欠株の原因。
- 移動は遅いが、大雨や土砂の移動で局所的に広がる。
4. 防除の基本戦略(薬剤は補助)
しみ腐病は土壌伝染性なので、「土づくり」と「水はけ改善」が最優先。
薬剤は補助的に使うことで効果が高まります。
① 発生予防(最重要)
- 輪作:同じ畑で3〜4年はニンジンを作らない。
- 排水改善:
- 暗渠排水の施工
- 高うね栽培(畝高さ25〜30cm目安)
- 水はけの悪い場所は砂や堆肥で改良
- 適期収穫:
- 春まきは遅れると急増 → やや早めに収穫
② 発病が予想される畑
- 播種前に土壌消毒剤で菌密度を下げる。
- 生育期は発病初期〜予防的に葉面散布。
5. 登録農薬
薬剤名 | 主な使用方法 | 使用回数/量 |
---|---|---|
ユニフォーム粒剤 | 播種前 土壌混和 | 9〜18kg/10a、1回 |
バスアミド微粒剤 | 植え付け前後 土壌混和 | 20〜30kg/10a、1回 |
アミスターオプティ フロアブル | 生育期 葉面散布 | 2回まで(時期調整) |
使い分けのコツ
- ユニフォーム粒剤:苗立ち確保&初期被害抑制。
- バスアミド:広範囲の土壌病害に対応。
- アミスターオプティ:発病拡大防止。予防的使用が効果的。
プロ農家が使用しているのは特にこの2つ!!
少しでも対策したい方は試しに使用すべし!!
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※使用時は農林水産省「農薬登録情報提供システム」で最新情報を必ず確認。
6. 今日からできる防除チェックリスト
✅ 3年以上の輪作計画を立てた
✅ 暗渠・高うねで排水性UP
✅ 発病履歴のある畑は土壌消毒
✅ 春まきは収穫遅れを避ける
✅ 薬剤は「播種前処理+生育期補助」で使用
7. まとめ
しみ腐病は見た目の悪化+発芽不良+収量減を同時に引き起こす厄介な病気。
最大の防除ポイントは「水はけ改善+輪作」です。
梅雨後半や秋の長雨前に予防的な対策をとれば、被害を大きく減らせます。
ニンジンの品質と収量を守るため、播種前からの土づくりを徹底しましょう。
みなさん美味しい作物作りましょう!!では!