恵みの秋、頂いたイモが驚くほど甘かったので、調べてみた!
秋といえば収穫の季節。
先日、近隣の方からジャガイモを頂きました。さっそく蒸して食べてみると……
「えっ!?こんなに甘いの!?」
こんにちはチーパパです。
あまりの甘さに気になって品種を調べてみると、「メークイン」か「はるか」の可能性があることがわかりました。(いもの形から判断。なぜか品種を聞かなかった。。)
そこで今回は、この2つの品種の特徴と、「ジャガイモが甘くなるメカニズム」を調べてみたのでご紹介します。
メークインの特徴
- 収穫直後から糖分が多く、低温貯蔵でさらに甘みアップ
- 煮くずれしにくく、なめらかな食感
- シチューやカレーなどの煮込み料理にぴったり
全国各地で栽培されていますが、関西を中心に人気が広がった品種です。煮物でも型崩れしにくいので「煮込みの王様」といえる存在です。

メークインは有名ですよね!
甘みを感じたい方は是非!
はるかの特徴
- 皮は淡いベージュで、目の周りが赤くなるのが特徴
- 肉色は白く、なめらかで粘質の食感
- サラダ、コロッケ、煮物まで幅広く利用可能
- 低温貯蔵後の糖度上昇が大きく、甘さが際立つ
「寝かせてから食べるとスイーツみたいに甘い」といわれるのも、この品種の特徴です。

販売している品種なんですね!
甘さを感じたい方は是非!
ジャガイモが甘くなるメカニズム
サツマイモは甘いけど、ジャガイモも甘い!
ジャガイモの甘さの正体は「デンプンが分解されてできる糖」です。
その仕組みをもう少し詳しく見てみましょう。
① デンプンの蓄積
- ジャガイモは光合成で作られた同化産物(主に糖)をストロン(走出枝)を通じてイモに運びます。
- イモはその糖をデンプンとして蓄え、肥大します。
- ただし、肥料(特にチッソ)をやりすぎると、糖が「肥大や細胞分裂」に使われすぎてしまい、デンプンが十分にたまりません。
→ この場合、水っぽい「水イモ」になり、甘みも弱くなります。
② 低温でデンプンが糖に変わる
- ジャガイモを 5℃前後の低温で保存すると、酵素の働きでデンプンが糖(還元糖:ブドウ糖・果糖)に分解されます。
- この現象を「低温糖化」と呼びます。
- 結果、収穫直後よりもぐっと甘さが増すのです。
③ 糖の種類と甘さの感じ方
- デンプンが分解されて生まれる糖は主に ショ糖・ブドウ糖・果糖。
- 果糖はショ糖の約1.7倍甘く感じられるため、少しの変化でも強い甘みを感じやすいのです。
- 品種によって糖の分解のしやすさが異なるため、はるかは特に甘みが出やすいといわれています。
④ デンプン価と食味の関係
- デンプンが豊富なイモ(デンプン価14%以上) → 加熱でデンプン粒が膨潤・破裂し、ホクホク感と甘みが際立つ。
- デンプンが少ないイモ(12%以下) → 水っぽく煮ても甘さが出にくい。
- つまり、栽培中のデンプン蓄積 + 低温での糖化の両方が、甘いイモの条件になります。
甘いジャガイモを楽しむための工夫
- 栽培時
- 肥料は控えめに(特にチッソ多肥はNG)。
- 株間を整えて競合を防ぐ。
- 保存時
- 収穫後は0〜5℃で数週間保存。
- 低温保存後に加熱すると、甘さが際立つ。
まとめ
今回紹介したイモは「メークイン」か「はるか」。
甘さの秘密は、
- イモにしっかりデンプンを蓄えること
- 低温でデンプンが糖に分解されること
この2つにありました。
「恵みの秋」にいただいた一皿から、イモの奥深さを知ることができました。
皆さんもぜひ、収穫したジャガイモを少し寝かせて、その変化を味わってみてください。
おいしい物を食べるために頑張っている!
引き続き美味しい作物を作りましょう!
参考文献
◎農家が教えるジャガイモ・サツマイモつくり
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