感動の甘さ!白いトウモロコシ「ピュアホワイト」と、極甘に育てる栽培のコツ
「これは本当にトウモロコシ?」
先日、知人からいただいた「ピュアホワイト」を口にした瞬間、思わずそうつぶやいてしまいました。
毎度毎度、頂いてばかりの、、こんにちはチーパパです。

透き通るように白い粒は柔らかく、ジューシーで、まるで果物のような甘さ。
正直、トウモロコシのイメージを塗り替えられた衝撃の一口でした。
この記事では、そんなピュアホワイトという品種の特徴と、どうすれば“極甘トウモロコシ”を育てられるのか――農家の実例を交えてお伝えします。
ピュアホワイトの魅力
白いトウモロコシは数あれど、ピュアホワイトは群を抜く美しさと食味を誇ります。
- 粒色:茹でても白さがくすまず、透明感のある仕上がり
- 甘さと食感:強い甘味に加え、皮が柔らかいので生食でも美味
- 形質:穂長20cm前後、粒列18~20列で先端まで粒がきれいに入る
- 栽培上の利点:包葉の締まりがよく鳥害に強い
一方で注意点もあります。黄色やバイカラーの花粉がかかると粒が混じるため、単独栽培が基本。また白粒なので収穫適期が分かりづらく、絹糸抽出から21~24日後に食味確認するのがベストです。
ピュアホワイトは「甘さ・美しさ・食べやすさ」の三拍子が揃った品種。贈答用や直売所でもひときわ存在感を放つ逸品です。

甘すぎるので注意!!(笑)
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甘さを引き出す栽培技術
ピュアホワイトそのものが甘い品種ですが、さらに「糖度20度超え」を実現した農家の取り組みがあります。
山梨県・池川雄二さんは、イネの前作として超早出しのスイートコーンを栽培し、驚くほど甘いトウモロコシをつくり上げました。
1. 苗を守る徹底した寒さ対策
2月播種の極早出し栽培では、
- 二重トンネル
- マルチ
- 水封チューブ(湯たんぽ)
といった重装備で苗を寒さや霜から守ります。初期のトウモロコシは非常にデリケートですが、3月下旬から一気に強くなり、倒れても自力で起き上がるほどの生命力を見せます。
2. 収穫前の「かん水」が決め手
池川さんの発見は、収穫20日前からの2回のかん水です。
- 果実が10cmほどの頃に1回
- 収穫1週間前にもう1回
畝間に水を通すだけで、翌日には葉色が濃くツヤツヤに。糖度は 18度 → 20~22度 に跳ね上がり、「水で甘くなる」ことを実証しました。
3. トウモロコシの潜在能力を活かす
トウモロコシはC4植物で、光合成効率が非常に高い作物。
水と肥料が十分にあれば、光合成能力がフル稼働し、余すことなく糖を実に蓄えます。
つまり、水ストレスを避けつつ、適期に水を与えることが極甘への近道なのです。
家庭菜園でも実践できるポイント
「そんな大掛かりなことはできないよ」という方も多いはず。
でも、家庭菜園でも取り入れられる工夫があります。
- 乾燥期は水やりを惜しまない
特に実が膨らみ始めてから収穫前までが勝負。 - 収穫は朝どり
一日の中で最も糖度が高いのは朝。収穫は午前中に行いましょう。 - 複数品種は混植しない
ピュアホワイトの純白を守るには単独栽培が安心です。
まとめ
- ピュアホワイトは、白粒の美しさと柔らかい甘さが魅力
- 甘さをさらに引き出すには、収穫前のかん水が最大のポイント
- 家庭菜園でも「水やり」と「朝どり」で、甘さを実感できる
先日いただいたピュアホワイトの甘さに感動し、「どうやったらこんなトウモロコシを作れるのだろう?」と調べたら、水管理が決め手だと分かりました。
来季はぜひ、自分でもピュアホワイトを育てて、この極甘体験を味わってみたいと思います。
美味しい作物を作って、実りの秋を!!
参考文献
- 白色スイートコーンの新品種「ピュアホワイト」の特性および栽培のポイント 雪印種苗(株)
- 農文協(2011)『現代農業』2011年6月号 「イネの前作に、超早出しスイートコーン ― 池川雄二さんの栽培事例」農山漁村文化協会.
- 熊澤秀治(2020)「ハウスでつくる極甘フルーツコーン」『現代農業』2020年4月号, 農文協.
- 猪股義補(2020)「スイートコーンの超多収栽培」『現代農業』2020年10月号, 農文協.
- 農研機構(2018)「スイートコーンの栽培と品種特性」技術資料.


