うどん・パンの原料、秋小麦!!
春になって秋小麦の圃場を見に行くと、
つい草丈や葉色だけで良し悪しを判断したくなります。
ただそれだけでは判断を間違えるかも、、、、
こんにちはチーパパです。
もちろん、それも大事です。
ただ、実際に見ていくと、それだけでは分からないことがあります。
茎数はどうか、、、、
分げつはどう出ているか、、、、
株元は充実しているか、、、、
病気にかかってないか、、、、
そして今どの生育段階にいるのか、、、、
そこまで見えてくると、同じ麦畑でも見え方はかなり変わってきます。
今回はそんな秋小麦の、
茎数の見方、分げつの規則性、幼穂形成期の診断方法を、
現場と参考書籍を元に整理していきます。
まず秋小麦で見たい茎数とは何か
秋小麦を見るとき、まず意識したいのが茎数です。
茎数とは、その名の通りどれだけ茎があるかということです。
小麦は主茎だけで育つのではなく、途中から分げつが発生して茎数が増えていきます。
この茎数が、最終的な穂数に大きく関わってきます。
穂数は収量を決める大事な要素のひとつなので、
今どれくらい茎が確保されているかを見ることには意味があります。
ただし、茎数は多ければ多いほど良いという単純な話でもありません。
茎数が多すぎると、
株が混み合って光が入りにくくなったり、(光合成力低下、病気の元)
弱い茎が増えたりして、
最終的に有効な穂につながらない分げつが多くなることがあります。
さらに、過繁茂になると倒伏リスクも気になります。
茎数を見るポイント
- 穂数につながる大事な要素である
- 多ければ良いとは限らない
- 本数だけでなく、充実した茎がそろっているかが大切

茎数の数え方
まずは1株で見る方法
現場で最初に見やすいのは、1株ごとに見ていく方法です。
株元をよく見て、主茎と分げつを含めて何本立っているかを確認します。
慣れないうちは葉が重なって分かりづらいこともありますが、
株元を少し開いてみると見やすくなります。
1株で見る方法の良いところは、
分げつの出方や株の充実度まで一緒に見られることです。
単に本数だけでなく、この株はしっかりしているか、
この分げつは有効そうかといった見方につながります。
面積で見るなら1㎡で確認する
収量とのつながりを意識するなら、1㎡あたりで見る方法も大事です。
一定面積の中に何本の茎があるかを見ることで、
圃場全体としての密度をつかみやすくなります。
実際の管理や比較には、こちらの方が役立つ場面も多いです。
ただ、1㎡だけを機械的に数えても、
その場所だけ特別に良かったり悪かったりすると判断を誤ります。
なるべく複数か所で見て、平均的な傾向をつかむのが実用的です。
数えるときのコツ
- 良い場所と悪い場所を見比べる
- 圃場の中で平均的なところを見る
- 株元を見て、分げつがどこから出ているかを確認する
- 草丈だけでなく、株の詰まり具合も見る
- 葉が重なって見えにくいときは、手でやさしく開いてみる
とくに大事なのは、比較して見ることです。
圃場の中でも生育の良い場所と弱い場所では、茎数、揃い、
株元の太さに差が出ていることがあります。
そこを見比べると、その圃場の特徴がかなり見えやすくなります。
麦の分げつには規則性がある
麦の分げつは規則性をもって出てきます。
現場では、分げつは何となく増えているように見えますが、
麦はかなり規則正しく育っていることが分かります。
(春先は数えづらいですが、、、)

基本的には、主茎の葉が増えていくのに合わせて、
下位の節から順番に分げつが出てきます。

たとえば、主茎の4枚目の葉が出るころに、その下の節から1号分げつが出る。
(ちょっと葉大きいからイメージつきづらいですが、、、)
その後、主茎の葉数がさらに1枚増えると、次の分げつが出てくる。
(5葉が出始めると2号分げつが、、同時期に出現するらしい!)

そうした流れで、主茎の生育と分げつの発生は連動しています。
分げつの規則性を知るメリット
- 今どこまで生育が進んでいるか見やすくなる
- 分げつの揃いを確認しやすくなる
- ただ本数を見るだけでなく、中身で見られるようになる
これを知っていると、今この株はどこまで進んでいるのかを見やすくなります。
葉齢に対して分げつの出方が合っているか、遅れていないか、揃っているかという見方ができるようになります。
分げつの規則性を知ると現場で何が変わるか
この考え方が役立つのは、茎数をただの本数で終わらせず、
中身で見られるようになる点です。
たとえば、同じように茎数が多く見えても、しっかり順序よく分げつしている株と、
弱い茎が無理に増えている株では、その後の有効穂のなり方は変わってきます。
また、分げつの揃いが悪い圃場では、
最終的な成熟や登熟の揃いにも影響する可能性があります。
幼穂形成期とは何か
麦を見るうえでもうひとつ大事なのが、幼穂形成期です。
幼穂形成期は、穂になるもとの組織が作られ始める時期です。
この時期は見た目だけでは分かりにくいのですが、栽培上はかなり重要です。
なぜかというと、この時期は窒素追肥の判断や、
麦踏みによる分げつコントロール、倒伏軽減剤の散布、さらには凍霜害への注意など、
管理上の大事な判断と関わるからです。
幼穂形成期の診断方法
現場で使いやすいのは偽茎長を見る方法
方法のひとつが、偽茎長を見る診断方法です。
これは、地際から最上位の展開葉の付け根までの長さを測るという比較的シンプルな方法です。この長さを偽茎長と呼びます。
この偽茎長が約5cmくらいになる時期が、節間伸長開始期の目安であり、
幼穂形成期にあたるとされています。
毎回、茎をむいて中の幼穂を確認するのは手間がかかります。
もちろん、丁寧に茎をむけば幼穂の確認はできますが、
現場で継続して見るなら、まずは偽茎長で把握する方法が実用的です。

この場合はだいたい2cmくらい。
幼穂形成期はまだ!ただ水分、温度などで、
すぐに幼穂形成期になる可能性も、、
肥料ってすぐに効くわけではないから、
(種類にもよるが)
幼穂形成期に肥料を効かせたいなら偽茎長が5cmになる前に、
肥料散布も検討!!
なぜ幼穂形成期が判断が大切なのか?
- 窒素追肥の判断につながる
- 麦踏みや分げつコントロールの目安になる
- 倒伏軽減剤の散布時期の判断に役立つ
- 凍霜害への注意が必要な時期でもある
2026年の秋小麦を見て感じたこと
2026年の秋小麦を見ていて感じたのは、
やはり圃場ごとの差が見えやすいということです。
一見すると同じように緑に見えても、株元を見ていくと、
茎数の確保ができている圃場とそうでない圃場、
分げつの揃いがよい圃場とばらつく圃場で印象がかなり違いました。
茎数が多く確保されている圃場では、単に本数が多いだけでなく、
株元に充実感があり、分げつの揃いも比較的良く見えます。
反対に、茎数が少ない圃場では、越冬後の立ち上がりや、
株の勢いに差を感じる場面もありました。
又、雪腐れが出ている圃場とそうでない圃場では、
茎数もそうですが、生育差は発生しています。
一つだけの条件でなく
播種時期、播種量、排水性、肥培管理、越冬条件など、
いろいろな要因が絡んでいるはずです。
秋小麦を見に行くときのチェックポイント
- 草丈だけで判断しない
- 茎数を確認する
- 分げつの出方と揃いを見る
- 葉色を見る
- 株元の充実度を見る
- 圃場の中で良い場所と悪い場所を見比べる
- 必要に応じて偽茎長も確認する
このあたりを意識するだけでも、圃場を見たときの情報量はかなり増えます。
麦は遠目に見ると同じように見えても、近づいて株元を見ると、
その圃場の状態が案外よく出ています。
まとめ
秋小麦を見るときは、草丈や葉色だけでなく、茎数、分げつ、偽茎長まで意識すると、
圃場の見え方がかなり変わります。
茎数は穂数や収量につながる大事な要素ですが、ただ多ければよいわけではありません。分げつの規則性を知ると、株元の見方が細かくなりますし、
幼穂形成期の診断方法を知ると、
今どの段階にいるかを株そのものから判断しやすくなります。
みんなで美味しい、うどん・パンを食べましょう!!
参考書籍
小麦1トンどり (著, 編集 高橋義雄 )

