【エリート】オレンジ色のエリート。
エリート。それはなかなかお目にかかる事にない人々。。
でもそんなエリートは、スーパーに行けばいっぱいいる。
そう、それはニンジン。
彼らは生まれる前に畑という世界に放たれ、
身動きできないまま、病気になりやすい幼児期を乗り越え、
ちょっと大きくなると、不良という名の、悪い虫から抵抗し、
収穫という卒業を無事に、打撲などなく乗り越え、
やっと社会という選果の場にたどり着くのである。
この時点でほぼエリート。もうエリート。
だが、、、、、
にんじんの秀品率の推移(例:北海道斜里町)
| 年度 | 秀品率 (%) |
|---|---|
| H27 | 34.0 |
| H28 | 34.3 |
| H29 | 36.0 |
| H30 | 41.8 |
※斜里町農業協同組合における にんじん輸出の取り組みと課題
表5 JA斜里町におけるにんじん輸出の推移 より
そこから秀品になるのが40%だと、、、、?
低すぎないか?
しかも話を聞いてみると、
選考理由が、
「ちょっと曲がっているね」
「なんか土がめり込んでるね」
「デカすぎるね」
「なんか形がニンジンっぽくないね」
、、、いや厳しいだろっ。
どうもチーパパです。
今回はたまたまニンジンを頂いたので、ちょっと気になって、
ニンジンのエリート具合を調べてみました。

※我が家にいたエリート

※袋から出たエリート
確かにキレイだ。
頂いた外品。。。

※ケロイド

※短根
君たちも十分エリートだよっ!
そもそも選果とは「見た目」だけじゃない
にんじんの選果(せんか)とは、収穫後に品質を選び分ける工程のこと。
傷、割れ、裂根、色ムラ、曲がり――これらを一つずつチェックしていく。
多くの産地では今も手選別が基本。
形の良し悪しだけじゃなく、表皮の滑らかさや芯の太さなど、人の目と感覚が頼りにされている。
たとえば北海道のある産地では、
- 秀品:形がまっすぐで色が濃く、傷がない
- 優品:やや曲がりや小傷があるが味は良好
- 規格外:形が崩れたり裂根がある
という基準で分けられている。
このうち「秀品」だけがスーパーや輸出向けとして扱われる。
ちなみに小さい石や土が少しめり込んでしまっても、
スーパーだけでなく、ニンジンを加工する業者も嫌がるそう。。。
データで見る秀品率40%の意味
ある産地の調査データによると、
生産量のうち約40%が秀品、15〜20%が優品、残りは規格外や加工用になる。
つまり、見た目で選ばれた“美人にんじん”だけが、私たちの食卓に届くわけだ。
この数字を維持するには、畑の管理・土壌改良・収穫時期の見極め・洗浄後のチェック、
すべての工程で“人の手と経験”が欠かせない。
見た目の裏側には、想像以上の手間とロスがある。
秀品に求められる品質と海外需要
輸出されるにんじんの多くは、色ムラが少なく、直線的で、皮が滑らか。
日本産のにんじんは「甘くて美しい」とアジア市場で高値がつく。
実際に海外向け出荷では、
秀品率を40%前後の内、輸出に回るのは全体のわずか1〜2%。
外資系エリートはもっと少ない!
※とはいいつつ外資系エリートを作りたい人は、
作りやすさで有名な向陽2号を
選果の現場が抱える課題
形が少し曲がっただけで規格外になる。
でも、味は変わらない。
見た目重視の流通基準が、フードロスの一因にもなっている。
一方で、曲がりや割れを減らすために、
土壌改良・潅水管理・機械掘りの精度向上など、現場では毎年改善が進んでいる。
人参の「見た目の良さ」は、単なる見栄えじゃなく、
栽培技術と土づくりの精度の証でもある。
もう見た目とかいいから、みんな食べよう!
まとめ
秀品率40%という数字は、単に厳しいだけじゃない。
それは日本の農家がどれだけ丁寧に作物と向き合っているかの象徴でもある。
見た目の美しさの裏には、選果にかける膨大な作業と経験が積み重なっている!
見た目が少し悪くても、にんじんの甘さと栄養は同じ。
家庭菜園でも「まっすぐ育たなかったから失敗」なんて思わなくていい。
それも自然の形。農家の努力を知ると、スーパーの一本にも少し愛着が湧くはず。
みんなでキレイな作物じゃなくて、美味しい作物を食べましょう!
参考データ:JA斜里町資料


