ジャガイモの高温障害、どう防ぐ?遮光・散水以外に「カオリン」という手がある

イモ
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「なんか水撒き以外で高温対策ないか?」

こんな問い合わせを多く頂きます。

そんな中出てきたのが「カオリン」
今回は、友達のあだ名の様はカオリンについて。
使い方をまとめてみました。

こんにちはチーパパです。

ジャガイモ・ナス・ピーマンも、

「水やってるのに葉がだらん…」
「日差しで焼ける…」

近年の高温凄まじいですよね?

散水は王道ですが、水の確保・時間・設備の壁もあります。
そこで今回は、散水以外の高温対策として海外で研究が多い「カオリン(kaolin clay)粒子フィルム」を、論文を参考にして分かりやすくまとめてみました。

高温対策で散水以外に何がある?調べてみた

高温対策というと、まず散水が浮かびます。
ただ、毎日十分に水を回すのは現実的に難しい場面も多いです。

散水以外の代表的な高温対策は、次のようなものがあります。

・遮光ネット(直射を弱める)
・マルチ(地温を抑える、乾燥を防ぐ)
・風通し改善(畝間管理、仕立て、除草で熱がこもりにくくする)
・品種や植え時期の調整(高温期を避ける)
・葉面反射資材(葉や果実の表面で熱の入り口を弱める)

今回の主役が、この「葉面反射資材」の代表格であるカオリンです。

カオリン(粒子フィルム)って何?一言でいうと

カオリンは白い微粒子(粘土鉱物)で、これを水で溶いて散布すると、葉や果実の表面に薄い白い膜(粒子フィルム)を作れます。

その白い膜が、光を反射して熱の入り込みを弱めます。
海外の論文では、主に次のような効果が整理されています。

・赤外線(熱になりやすい光)を反射し、葉の温度を下げることがある
・強光や紫外線も反射し、日焼けや高温ストレス軽減に寄与
・光が拡散して株の内側にも回り、条件によっては葉の光合成が上がることがある
・虫が寄りにくくなる例もある

要するに、白い膜で「暑さの入り口」を弱める発想です。

ピーマンの試験結果では正直、結果は割れます

いい事ばかりですが、
ピーマンの研究は「効いた」「効かなかった」が両方あります。

 効かなかった例(アメリカの試験)

ピーマンで、カオリンを使っても生理指標・病害・収量に差が出なかった、という報告があります。
タイトルで「効果なし」と言い切っているタイプです。

この結果がある以上、カオリンは万能ではありません。
条件(気象、品種、散布の乗り、散布タイミング、水管理)で、普通に振れます。

条件付きで良かった例(灌水条件と組み合わせた研究)

一方で、灌水条件とカオリン散布を組み合わせて、収量・品質・水利用効率などを評価した研究もあります。
このタイプの研究は「カオリン単独の魔法」ではなく、暑さ・乾燥マネジメントの一部として扱っています。

まとめると、ピーマンでは
「カオリンは効く年もあるが、効かない年もある」
が現実です。

だからこそ、散水の代わりではなく、散水や遮光の補助(リスクを下げる保険)として考えるのが無難です。

りんご では効果が見えやすい

果樹、とくにりんごは研究が多いです。
理由は単純で、果実の日焼けが売り物に直撃するからです。

りんごで「果実表面温度・光・紫外線を下げることが日焼け軽減に有効」と整理されています。
さらに、長期のデータで、カオリン処理の果実重が未処理より大きい年が多く、暑い年ほど効果が大きかった、という内容も紹介されています。

果樹は「目に見える被害(焼け)」があるので、効果が分かりやすい分野と言えます。

ジャガイモでの考え方(家庭菜園にも)

ジャガイモは果樹ほど「外観の日焼け」が問題になりにくいですが、
生育に大切な葉は、もちろん日焼けなどの影響を受けます。

・葉が熱ストレスで落ちる
・光合成が落ちる
・塊茎の肥大が鈍る
・収量や品質がブレる

カオリンは、こうした「高温で全体がバテる」方向のリスクを下げる可能性があります。

ただし、ジャガイモでの研究は果樹ほど積み上がっていないため、導入するなら小さく試すのが現実的です。
農家でも家庭菜園でも、まずは一部で無処理区を残して比較するのが一番確実です。

カオリンの使い方

ここは断定しすぎると事故るので、結論を先に言います。
使用作物・使用量・回数は、必ず製品ラベルを優先してください。

その上で、考え方として押さえるポイントをまとめます。

いつ散布する?

狙いは「焼けてから治す」ではなく、「焼ける前に膜を作る」です。

・高温が続きそうな週の前
・強日射期に入る前(梅雨明け前後など)
・雨で落ちる前提で、必要なら維持散布

一回散布して終わり、というより「膜を維持する」発想が現場では重要です。

倍率(濃度)は?

結論:製品ラベルに従う。
理由は、粒子径や分散性、付着性が製品ごとに違い、同じ濃度でも乗り方が変わるからです。

家庭菜園なら、まずは薄め〜標準で小面積テストをおすすめします。
白さの出方、葉の汚れ感、散布ムラ、噴霧器の詰まりを確認できます。

農家なら、圃場の一角で無処理区を残して比較すると、翌年の判断が一気に早くなります。

散布のコツ(ここが勝負)

・ムラ=効果ムラ。白さがまだらなら、暑い場所が残ります
・風が弱い時間帯に散布する
・攪拌を止めない(濃度ムラの問題から
・フィルターやノズル詰まり対策を先に考える
・雨の後は落ちる前提で、必要なら再散布を検討する

どんな人に向く?向かない?

向く人
・散水が追いつかない、設備が限られる
・強日射で葉が焼けやすい、作物がバテやすい
・まずは小面積で試し、比較して判断できる

向かない人
・散布ムラが出やすい環境
・見た目の白さが嫌われる出荷形態(近隣の目もそうかも、、)
・「これだけで全部解決」を期待してしまう人

カオリンは「劇的に効く薬」ではなく、「高温年のリスクを下げる保険」として考えるのが合っています。

「散水以外の高温対策として、粒子フィルム(カオリン)も一度試してみたい方向けに、入手しやすい製品を置いておきます。使用作物・使用量・回数は製品ラベルを確認してください。」

まとめ

カオリンは、白い膜で熱の入り口を弱める「散水以外の高温対策」です。
ピーマンのように結果が割れる作物もありますが、果樹では日焼け対策として研究が多く、暑い年ほどメリットが出た整理もあります。

ジャガイモでは「まず小さく試して、無処理区と比べる」。これが一番失敗しません。
私も家庭菜園で是非試してみたいと思います。

参考文献

・Glenn, D. Michael (2012) The Mechanisms of Plant Stress Mitigation by Kaolin-based Particle Films and Applications in Horticultural and Agricultural Crops. HortScience 47(6):710–711.
・Russo, V.M. & Díaz-Pérez, J.C. (2005) Kaolin-based Particle Film Has No Effect on Physiological Measurements, Disease Incidence or Yield in Peppers. HortScience 40(1):98–101.
・Ćosić, M. et al. (2015) Effect of irrigation regime and application of kaolin on yield, quality and water use efficiency of sweet pepper. Agricultural Water Management.
・Wand, S.J.E. et al. (2006) Harvest and post-harvest apple fruit quality following applications of kaolin particle film… Scientia Horticulturae.

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