その防除、ズレてます。2025年以降のてんさい・シロイチモジヨトウ対策で最初に直すべきこと
てんさいのシロイチモジヨトウ対策
― 農薬が効かないのではなく、判断がズレている ―
シロイチモジヨトウ対策で一番多い相談は、これです。
「薬はちゃんと使ったのに、止まらなかった」
こんにちはチーパパです。
結論から言います。
この害虫、防除に失敗する原因の大半は“農薬選び”ではありません。
北海道で実際に起きた「ズレ」
近年の北海道では、
8月下旬以降にシロイチモジヨトウが突発的に発生し、
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初動が遅れる
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既存剤を重ねる
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効いた気がして様子を見る
この流れで、
結果的に被害が広がった圃場が少なくありません。
ここで重要なのは
「何を使ったか」ではなく
「その時、何を基準に判断したか」です。
シロイチモジヨトウ防除が崩れる3つの典型パターン
① 発生を見てから考え始める
この時点で半分負け。
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飛来性害虫
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発生予測が難しい
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若齢期を逃すと効きが落ちる
👉 「見えたから散布」は遅い
② ローテしている“つもり”
IRACコードを並べただけのローテは意味がありません。
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同系統の重ね使い
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効き残り前提の設計
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切り札を最初に使ってしまう
👉 ローテは順番と役割がすべて
③ 圃場条件を無視した薬剤選択
同じ薬でも、
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発生量
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葉齢
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散布タイミング
これが違えば、結果は真逆になります。
👉 「登録がある=効く」ではない
2025年以降、軸になる3剤の“使いどころ”
ここから薬剤の話をしますが、
重要なのは性能ではなく「使う場面」です。
① ファルコン
使う場面:発生初期・若齢幼虫
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IGR(グループ18)+神経系(グループ5)
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葉裏まで届く
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若齢期に刺さる
❌ ダメな使い方
→ 被害が見えてから慌てて使う
⭕ 正解
→ 「まだ大丈夫かな?」の段階で切る
② ディアナ
使う場面:中間整理・密度抑制
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摂食抑制が早い
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ローテのつなぎ役
❌ ダメな使い方
→ 主力として連続使用
⭕ 正解
→ 密度を落とすための調整役
③ ブロフレア
使う場面:後半・止めに行く局面
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新規作用機構(グループ30)
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残効が長い
❌ ダメな使い方
→ 初回から投入
⭕ 正解
→ 「ここで止めないと詰む」局面
ローテーションは「全部使う」ことじゃない
よくある誤解ですが、
3剤あるから3回撒く
これは違います。
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発生が軽ければ2剤で止める
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条件が揃えば1剤で済む
ローテとは“使わない判断”を含めた設計です。
最後に:ここが一番大事
この記事は
「おすすめ農薬」を決めるためのものではありません。
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いつ切るか
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何を捨てるか
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どこで踏み切るか
この判断がズレると、
どんな薬でも効きません。
圃場条件や発生状況で
判断が分かれるケースは非常に多いです。
ここまで読んで、
「うちの圃場、このパターンかも」と思ったなら、
たぶん一人で抱えるより整理したほうが早いです。
シロイチモジヨトウ対策は、
正解を知ることより
外さない判断をすることのほうが難しい。
圃場条件や発生状況で答えは変わります。
迷っているなら、
判断を一度、人に預けるのも手です。


