「効いた気がした」が一番危ない。てんさい圃場で初動を外したシロイチモジヨトウ防除の実話
― シロイチモジヨトウ防除が“手遅れ”になる瞬間 ―
てんさいのシロイチモジヨトウって、ほんと性格悪い。
見えた時には、もう“勝負”が始まってる。
こんにちはチーパパです。
今回の記事は「おすすめ農薬」の話じゃないです。
初動を外した年に、圃場で何が起きたか。
そして、どの判断が一番ズレていたか。
これを書きます。
結論:薬が弱かったんじゃない。ズレたのは「最初の判断」
- 効くと言われている薬(フェニックス、ベジホン)を使った
- でも、思ったほど止まらなかった
- その間に幼虫の齢が進んで、次の一手が重くなった
- 結果、2回目・3回目が“追いかけ散布”になって詰む。。。。
この流れ、経験ある人多いはず。
そこを少し振り返えさせて頂きます。
その年の流れ(現場のリアル)
1)初回防除を「様子見」した理由
最初のズレはここ。
- 発生が“まだら”に見えた
- いま撒くほどでも…と思った
- いつもの薬で止まる、と心のどこかで思ってた
で、先延ばし。
“まだ大丈夫”は、だいたい大丈夫じゃない。。

2)「効いてる気がした」話(これが一番危ない)
次のズレがこれ。
散布後、圃場を見ると
- 動きが鈍い個体もいる
- 食害が止まった“ように見える”
- 「よし、いけたかも」ってなる
でも実際は、
止まってないことがある。
- 見えてる個体は減っても、葉裏や株元に残ってる
- すでに齢が進んだ個体は、効きが鈍く感じることがある
- 圃場内のムラで「効いた区画」だけを見て安心する
この瞬間に、判断が一段ズレてしまう。。
3)2回目・3回目で詰む流れ
ここから地獄。
- “効いたかも”で数日空ける
- その間に食害が進む
- 次に見たときには「数が多い」「葉が抜ける」
- 2回目は「強めの一手」に寄せる
- それでも追いつかず、3回目が必要になる
ここまで来ると、防除が
計画 → 追いかけ
に変わる。
追いかけになった時点で、コストもリスクも跳ねる。

フェニックスとベジホンが「効かなかった」って何が起きた?
「通常この薬が害虫に強いと言われていたのに」
→ それでも止まらないことがある理由は、だいたいこのどれか。
- タイミングが遅い(若齢期を逃した)
- 散布ムラ(葉裏・株元まで届いていない)
- 発生密度が高すぎる(1回で止め切る前提が崩れてる)
- 圃場内の世代がズレてる(小さいのと大きいのが混在)
- 感受性低下の疑い(同系統の継続使用がある圃場ほど起きやすい)
つまり、薬の名前より前に
“初回の判断”と“当て方”が問われる。
どの判断が一番ズレてたか
自分の失敗で一番デカかったのはこれですかね。
「効いたかもっ!!」で“確認の視点”が甘くなった
散布後の確認って、つい
- 見える個体
- 見やすい場所
- 良いところ
だけ見がちですが、、、
でも本当に見るべきは
- 葉裏
- 株元
- ムラの出る場所
- “食害が伸びる区画”
ここを見ずに「いけた」と思った時点で、負のループに、、、
来年同じ失敗をしないための「初動チェックリスト」
初回を切る基準(例)
- 発生が“点”でも見えたら、圃場全体のムラ確認
- 若齢がいるなら、数日で一気に伸びる前提で考える
- 「効いたかも」の翌日は、悪い場所を見に行く
- “止まった”判定は、食害の増加が止まったかで見る(見える虫の数だけで判断しない)
まとめ:手遅れは「突然」じゃない。自分で作ってる
シロイチモジヨトウの手遅れって、
急に起きたように見えるけど、実際は
- 様子見
- 効いた気がする
- 確認が甘い
- 追いかけになる
この積み重ね。
薬が効かない年もある。
でもそれ以上に、判断がズレた年が一番怖い。
この記事は「おすすめ農薬」を決めるためのものではありません。
手遅れになるのは、農薬のせいだけじゃなく、判断の遅れが重なった結果です。
もし「これ、うちでも起きてるかも」と思ったなら、
圃場条件と発生状況を前提に、判断の組み直しをした方が早いケースがあります。
防除は情報戦ではなく、判断戦です。
ワケの分からない虫が増えています。
判断を怠らないように準備をしていきましょう!


