あの人だけ、玉葱の倒伏が遅い、、、、なんでだろう?
もしかしてそれは、
玉葱の新品種「そらたま」かも。。。。
こんにちはチーパパです。
「そらたま」が明らかに葉の倒伏が遅かったとのお声を頂き、
調べた事をまとめてみました。
この記事は、北海道の春播種を前提に、そらたまの特徴と、分球がなぜ起きるのか、増やさないための打ち手をまとめました。
1. 「そらたま」ってどんな品種?
1-1. 期待されやすいポイント
- 高温・干ばつ条件でも肥大しやすく、小玉化を抑えたい年の選択肢になりやすい
- L以上の規格歩留まりを取りにいく考え方と相性がよい
- 加工適性も視野に入る(規格が揃うほどメリットが出やすい)
1-2. 先に知っておく注意点
- 雨が多い年は肥大が進みやすく、球サイズを見ながら根切りや収穫判断を早める必要が出やすい
- 引っ張りすぎると、規格外や作業遅れのリスクが上がる
- 分球(抱き玉)が多い?
2. 分球はなぜ起きるのか

玉ねぎはニンニクのように株元へ小球が大量に増える作物では基本ありません。
ただし条件が揃うと、球内部の生長点(茎盤)が分岐して、1玉の中で複数の芽が動き出し「分球(双子玉・多子)」になります。
2-1. 分球が増えやすい条件
分球は品種差がある上で、次の条件で増えやすいとされております。春播種でもここは同じ方向で効きます。
- 太苗(育苗中に進みすぎた苗)
- 早すぎる定植で、生育が前に進みすぎる
- チッソ過多(多肥、追肥のやりすぎ、肥効がだらだら続く)
- 大玉狙いで株間を広げすぎて過繁茂になる
要するに、「栄養成長が強すぎる状態を長く作る」と、生長点の安定が崩れて分岐しやすくなる、という方向の話です。
2-2. 春播種で意識したい「分球が増えやすいタイミング」
春播種では、次の2つが実務上の山になりやすいです。
- 育苗終盤から定植直後:苗が太りすぎた状態で畑に出ると、最初から過繁茂方向へ寄りやすい
- 肥大に入る前後:本来は球肥大へスイッチする時期にチッソが残っていると、栄養成長が切れず分球リスク側へ寄りやすい
3. 「そらたま」で分球が気になる人が最初に点検すべき3つ
3-1. 苗が太くなりすぎていないか
春播種の分球は、まず育苗由来の太苗が入口になりやすいです。播種が早い、育苗期間が長い、温度が高い、チッソが効いている。こうした条件が重なると苗が進みます。そらたまの「肥大力」を期待するほど、育苗で勢いを付けたくなりますが、分球リスクも一緒に上げます。
3-2. 定植が早すぎないか
定植を前倒しすると、その後の気温推移によっては生育が一気に進み、過繁茂方向へ寄りやすくなります。春播種は「早く植えた方が勝ち」が通じる年もありますが、分球が気になる場合は“進みすぎない範囲”の見極めが必要です。
3-3. チッソが「最後まで残る設計」になっていないか
分球対策で一番効きやすいのは、「チッソを残さない」ことです。追肥量だけでなく、肥効の長さも含めて、肥大期に向けて栄養成長がきれいに切れる設計になっているかを点検します。
4. 分球を増やさないためには
4-1. 育苗は太らせすぎないが最優先
- 播種を早くしすぎない(育苗期間が長いほど太苗リスクが上がる)
- 育苗中のチッソの効かせすぎを避ける(葉色が濃すぎる、勢いが強すぎる状態を作らない)
- 定植直前は「勢いを付ける」より「揃える」を優先する
4-2. 定植後のチッソは攻めるより残さない
- 追肥はメリハリを付ける(ダラダラ効かせない)
- 肥大に入る時期に肥効が残らないよう、最後の追肥タイミングを前倒し気味に組む
- 大玉狙いで後半まで追肥を引っ張らない(分球だけでなく、品質のブレも増えやすい)
4-3. 株間を広げすぎない
大玉を狙って株間を広げると、過繁茂方向に振れやすく、分球のリスクも上がりやすいと言われます。そらたまは肥大力が売りなので、標準密度で特性を見る方が安全です。
4-4. 雨年は「肥大が速い=判断も前倒し」
- 雨が多い年は肥大が進みやすい
- 球サイズを見ながら根切り・収穫判断を前倒しすることで、規格外や作業遅れを減らしやすい
5. 失敗しない導入手順
すでに玉葱を作つけしている方は、新品種を全面導入する前に、少量から初めてみましょう。
5-1. 比較区の作り方
- 同一圃場内で主力品種と並べる
- できれば土質が違う圃場でも小面積で試す
5-2. 評価項目
- L以上比率、規格外比率
- 分球率(外観だけでなく、サンプルを切って内部確認)
- 倒伏時期、根切り適期の幅
- 腐敗・病害の出方、調製の手間
6. よくある質問
Q1. 分球は収穫後に増えるのですか?
外から見えない形で内部の分岐が進んでいる場合があります。見た目がきれいでも中で進行していることがあるので、栽培中の予防(太苗・早すぎ定植・チッソ残りの回避)が重要です。
Q2. 分球を避ける最短ルートは?
春播種では「育苗で太らせすぎない」「定植を前倒ししすぎない」「チッソを残さない」。この3点を守るのが最短です。分球が出やすい年は、たいていこのどれかが過剰になっています。
まとめ
- そらたまは高温・干ばつ年の小玉化対策として期待される新品種
- 分球は品種差だけでなく、太苗、早すぎる定植、チッソ過多(肥効残り)、株間過大などの管理条件で増えやすい
- 春播種では「育苗終盤から定植直後」と「肥大に入る前後」の管理が分球対策の要点になりやすい
- 導入初年度は比較区で、L以上比率と分球率を数字で取るのが最も強い
新品種なのでわからない事いっぱいですが、
経過を観察していきます。
皆さんで美味しい作物を作っていきましょう!
参考文献・リンク
- タキイ種苗 栽培マニュアル(タマネギ)
- タキイ種苗 Q&A(タマネギの分球に関する解説)
- マイナビ農業 「そらたま」紹介記事(品種特性の概要)
干ばつでも大玉に。北海道の生産者向けのタマネギ新品種「そらたま」を従来品種と比較検証 - 『現代農業』「たまねぎってこんな作物」
