肥料の数字が読めると選び方が変わる|8-8-8・14-14-14・3-10-10の違い

肥料
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肥料売り場で見かける「8-8-8」と「14-14-14」。
、、、重さ?
偶数?
数字が大きいほうがお得なのか?
よく育つのか?

迷ったことはありませんか?

さらに「さつまいも・まめの肥料」のような専用肥料を見ると、
さつまいも、豆に関して非常に特殊な物がはいってんの?
※非常に特殊な成分が入っているものもあります
「普通の化成肥料ではだめなの?」という疑問も出てきます。

こんにちは、チーパパです。

選ぶときのポイントは、成分の濃さ、成分の比率、必要な量を入れるための費用です。この3つを分けると、肥料の違いも、自分に合う選び方も見えてきます。

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まず結論|3つの肥料は、こんな基準で選ぶ

今回比較するのは、「化成肥料8-8-8」「高度化成肥料14-14-14」「さつまいも・まめの肥料3-10-10」の各5kg袋です。

こんな選び方をしたい 候補になる肥料 選ぶ理由
栽培資料の「8-8-8を○g」という説明に合わせたい 化成肥料8-8-8 成分濃度の換算を減らせる
使用量を計算して、同じ成分量を入れる費用や運ぶ重量を抑えたい 高度化成肥料14-14-14 8-8-8より少ない重さで、同じ三要素量を入れられる。費用は価格次第
サツマイモ用に窒素を抑え、リン酸・カリを別々に用意する手間を減らしたい さつまいも・まめの肥料3-10-10 窒素に対してリン酸・カリの割合が高く、サツマイモ向けの使用量が示されている

いずれも、育てる作物と製品の使用方法が合うことが前提です。とくに3-10-10は、8-8-8や14-14-14とは成分の配分が異なります。

8と14は「濃さと使用量」を比べ、3-10-10は「必要な成分の配分に合うか」で選ぶ。この違いを、具体的な数字で見ていきましょう。

8-8-8と14-14-14は、何が違う?

数字は窒素・リン酸・カリの割合

肥料袋の3つの数字は、一般に左から窒素、リン酸、カリの割合を表します。
8-8-8なら各8%、14-14-14なら各14%です。

N・P・Kと書かれることもあり、
肥料表示ではNが窒素、Pがリン酸、Kがカリに対応します。

詳しい成分は袋の「保証票」で確認できます。全農も、袋の数字は成分割合を示し、正確な成分は保証票で確認するよう案内しています。

参考:全農「化成肥料の数字(8-8-8など)の意味とは?」

※肥料のリン酸はP₂O₅換算、カリはK₂O換算の表示です。元素としてのリン・カリウムそのものの重量とは異なります。この記事では肥料表示に合わせて計算します。

同じ100gなら、14-14-14は各成分が1.75倍

肥料100gに含まれる表示上の成分量
肥料 窒素 リン酸 カリ
8-8-8 8g 8g 8g
14-14-14 14g 14g 14g
3-10-10 3g 10g 10g

計算は「肥料の重さ×成分割合」です。
8-8-8を100g使うなら、窒素は100g×0.08=8gになります。

同じ100gでは、14-14-14の各成分量は8-8-8の1.75倍です。
いつも使っている8-8-8を14-14-14に替え、
同じ重さをまくと、成分量も増えてしまいます。

一方、両者の窒素・リン酸・カリの比率は、どちらも1:1:1です。
比率は同じで、濃さが違うと考えると分かりやすいでしょう。

なお、3-10-10のリン酸・カリは、同じ重さの8-8-8より多く、
14-14-14より少なくなります。
「専用肥料だから、どの肥料よりもリン酸・カリが多い」という意味ではありません。

使う量を変えれば、同じN・P・K量を入れられる?

8-8-8と14-14-14は、窒素をそろえると三要素がそろう

次は、投入する窒素量を3gにそろえて比較します。

必要な肥料の重さは「入れたい窒素量÷窒素の割合」で求められます。8-8-8なら、3g÷0.08=37.5gです。

窒素3gを投入するために必要な量
肥料 肥料の重さ 窒素 リン酸 カリ
8-8-8 37.5g 3g 3g 3g
14-14-14 約21.4g 約3g 約3g 約3g
3-10-10 100g 3g 10g 10g

※比較用の計算例であり、1株・1㎡当たりの推奨量ではありません。端数は丸めています。

8-8-8と14-14-14は、使う重さを調整すると三要素の量がそろいます
。同じ考え方で、8-8-8を100g使う場合は、
14-14-14を約57g使う場合と、表示上の三要素量がほぼ同じ
になります。

数字が大きい肥料が、必ずよく育つというわけではありません。
まずは、実際に畑へ入れる成分量で比較することが大切です。

3-10-10は、使用量だけでは三要素をそろえられない

3-10-10で窒素3gを入れると、リン酸・カリは各10gになります。
ほかの2種類と窒素量をそろえても、リン酸・カリは約3.33倍です。

逆に、リン酸・カリを各3gにそろえるなら、3-10-10は30gで足りますが、窒素は0.9gになります。

散布量を変えても、その肥料の成分比は変わりません。
比率が異なる肥料を、窒素量だけで置き換えられない理由はここにあります。

同じ成分量でも、効き方まで同じとは限らない

農家の方が肥料を切り替えるときも、
まず窒素量から使用量を計算し、リン酸・カリ量を確認すると整理しやすくなります。

ただし、成分量が同じことと、生育や収量が同じことは別です。
原料や成分の形態、肥効、施肥する時期・位置、土壌からの養分供給も関係します。

8-8-8から14-14-14への換算は、投入量を比較するための計算です。
実際の使用では、製品の使い方も確認しましょう。

「さつまいも・まめの肥料」が3-10-10なのはなぜ?

窒素を抑えながら、リン酸・カリを補いやすい配合

今回紹介する「さつまいも・まめの肥料」は、朝日アグリアの有機入り肥料です。
メーカー公式では、成分が3-10-10、容量が2kg・5kgと案内されています。

この配合をサツマイモで考えるときのポイントは、
窒素を入れすぎずに、必要なリン酸・カリを補うことです。

サツマイモは、窒素が多すぎると茎葉ばかりが茂り、
いもの肥大が進みにくい「つるぼけ」が問題になります。
JAあいち尾東も、窒素過多などをつるぼけが起こりやすい条件として挙げています。

参考:JAあいち尾東「サツマイモの栽培方法」

もちろん窒素が不要なわけではありません。
日本いも類研究会も、窒素の入れすぎに注意しながら、必要な養分を施す考え方を示しています。

参考:日本いも類研究会「さつまいもの肥料はどれくらい必要ですか?」

専用肥料には、別の肥料を買い足す手間を減らす価値がある

仮に、必要な成分量が窒素3g、リン酸10g、カリ10gだったとします。

8-8-8を使って窒素3gを入れると、リン酸・カリも各3gになります。目標にそろえるには、リン酸とカリを各7g、別の資材から補う計算です。

反対に、8-8-8だけでリン酸・カリを各10g入れようとすれば、窒素も10g入ります。これでは、窒素を3gに抑えるという目標から外れてしまいます。

3-10-10なら、100gで3g・10g・10gです。
必要な配分に合えば、リン酸・カリを別々に用意して足す手間を省けます。

このように、専用肥料には配合を整えておく意味があります。
名前が分かりやすいだけでなく、使う人が施肥を組み立てやすい設計になっています。

※ただし、この計算は配合の利点を説明する例です。3:10:10が、どの畑にも最適という意味ではありません。

「吸収する量」と「肥料で補う量」は違う

作物は、肥料だけでなく土壌や過去に施した堆肥などからも養分を受け取ります。
また、施した成分すべてを、その作期に吸収するわけではありません。

そのため、「サツマイモは窒素よりリン酸を多く吸収するから、この配合になっている」と単純には説明できません。土壌に残る養分や利用されやすさを含めて、肥料で補う量を考えます。

農林水産省も、施肥基準と土壌診断を使い、成分が過剰に蓄積している場合は肥料の種類や量を見直すよう案内しています。

参考:農林水産省「都道府県施肥基準等」

なお、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモは、必要な施肥を一括りにはできません。
今回の商品は「さつまいも・まめの肥料」です。ほかのイモ類にも同じ量で使えるとは考えず、対象作物と使用方法を確認してください。

5kg袋のコストは、袋の値段だけで比べない

5kg袋に含まれる成分量を確認する

各5kg袋に含まれる表示上の成分量
肥料 窒素 リン酸 カリ
8-8-8 0.4kg 0.4kg 0.4kg
14-14-14 0.7kg 0.7kg 0.7kg
3-10-10 0.15kg 0.5kg 0.5kg

8-8-8と14-14-14は成分比が同じなので、窒素量を基準に費用を比べると、リン酸・カリ量もそろえた比較になります。

計算式は、窒素1kg当たりの費用=袋の価格÷袋に含まれる窒素量です。窒素だけの値段ではなく、商品全体の費用を窒素量で割った比較指標です。

14-14-14は、8-8-8の価格の1.75倍が比較の境目

どちらも5kg袋なら、14-14-14には8-8-8の1.75倍の各成分が入っています。

したがって、14-14-14の購入価格が8-8-8の1.75倍未満なら、表示上の同じ三要素量を確保する費用は14-14-14のほうが低くなります。

例えば、8-8-8が1,000円なら、比較の境目は14-14-14の1,750円です。これは計算例であり、紹介商品の実売価格ではありません。

仮価格で比較した例。実売価格ではありません
比較項目 8-8-8・5kg 14-14-14・5kg
仮価格 1,000円 1,500円
窒素1kg当たりの費用 2,500円 約2,143円
窒素3gを入れる肥料の重さ 37.5g 約21.4g
その使用分の費用 7.5円 約6.4円

実際に比較するときは、送料や税込・税別などの条件をそろえましょう。
また、肥効の違いまで、この計算だけで評価することはできません。

家庭菜園では、成分当たりの安さに加えて、購入時の支出と使い切れる量も大切です。農家なら、運搬する重量や散布作業の負担も判断材料になります。

3-10-10は、窒素単価だけで評価しない

3-10-10は窒素の割合が低いので、
窒素1kg当たりの費用だけでは不利に見える場合があります。

しかし、目的が「窒素を抑えながらリン酸・カリを補うこと」なら、
窒素単価だけでは選べません。必要な配分を満たすための追加資材や、計量・施用の手間も含めて比べることが大切です。

自分に合うのはどれ?今回の3商品の選び方

栽培資料に合わせて使いたいなら「化成肥料8-8-8・5kg」

参考にしている栽培資料に「8-8-8を○g」と書かれていて、その成分濃度に合わせたい方に選びやすい候補です。

添付の商品パッケージには、元肥・追肥の両方に使えると表示されています。栽培資料と製品の使用方法を照らし合わせ、作物に合う量を量って使いましょう。

8-8-8だから計量が不要というわけではありませんが、
14-14-14へ換算する手間を減らせます。

選ぶ目安:「成分当たりの最安値より、手元の栽培資料に合わせて使いたい」という方。

購入前に、5kg袋であること、作物ごとの使用量、送料込みの価格を確認してください。

量を換算して、成分当たりの費用を比べたいなら 「高度化成肥料14-14-14・5kg」

必要な成分量から使用量を計算でき、購入価格も比較して選びたい方に向く候補です。

8-8-8より少ない重さで同じ三要素量を投入できます。
5kg袋同士なら、価格が8-8-8の1.75倍未満かを比較の目安にできます。

ただし、8-8-8から切り替える場合は、同じ重さをまかないことが重要です。成分量の換算では、8-8-8の100gに対して14-14-14は約57gになります。

選ぶ目安:「使用量をきちんと量り、同じ成分量を入れる費用や運ぶ重量を抑えたい」という方。

購入前に、作物ごとの使用方法と肥効、送料込みの価格を確認してください。

サツマイモ用の配合を一袋で用意したいなら「さつまいも・まめの肥料・5kg」

サツマイモを育てるために、窒素に対してリン酸・カリの多い配合を選び、
資材を別々に買って計算する手間を減らしたい方に候補となる商品です。

メーカー公式では、サツマイモ4株・1㎡当たりの元肥として60~100gが目安とされ、前作で野菜を育てていた場合は控えめにするよう案内されています。

この範囲を成分量に直すと、窒素1.8~3g、リン酸・カリ各6~10gです。肥料の量を減らしても、窒素に対してリン酸・カリが多いという比率は変わりません。

参考:朝日アグリア「さつまいも・まめの肥料」成分と使い方

選ぶ目安:「サツマイモ向けに配合された製品を選び、表示された使用量をもとに使いたい」という方。

「有機入り」は商品特性の一つですが、それだけで効き方や栽培結果は決まりません。現在の製品表示を確認し、畑に残っている肥料分も考慮して使いましょう。

数字を読めると、肥料選びはもっと面白くなる

8-8-8と14-14-14は、使用量を変えれば表示上の三要素量をそろえられます。
3-10-10は成分比が違うので、同じ方法ではそろいません。

ここが分かると、「〇〇専用」という名前の先にある配合が見えてきます。
専用肥料を使う便利さも、手持ちの資材を組み合わせて考える面白さも、
成分量を読むことから始まります。

例えば、8-8-8と14-14-14だけを混ぜても、
比率は1:1:1のままです。リン酸・カリの比率を変えたいなら、
それに応じた別の成分構成が必要になります。

ただし、計算上の組み合わせができることと、実際に混ぜて使えることは別です。
資材に含まれるほかの成分、肥効、混合の適否まで確認する必要があります。

まずは育てる作物の栽培資料を見て、必要な配分を確認する。
そのうえで8-8-8と14-14-14の費用を比べるか、
専用肥料で必要な配分を用意するかを考えてみてください。

次に見たいのは、数字の奥にある原料と効き方です。同じN・P・K表示でも、成分の形態や加工によって肥効の特性が異なる場合があります。

皆さんで作物の栄養である肥料について少し考えて、美味しい作物を作りましょう!

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