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「下の葉が黄色くなってきた。肥料が足りないのかな?」
「このまま枯れていっちゃう感じ?」
家庭菜園でも農家の畑でも、葉の黄ばみは気になりますよね。。
昨日まで元気に見えた野菜なら、なおさら心配になります。。
こんにちはチーパパです。
そんなとき、肥料を追加する前に見てほしいのが、
「どの葉の、どの部分が黄色くなっているか」です。
古い葉なのか、新しい葉なのか。葉脈の間なのか、葉の縁なのか。
それだけでも、原因を絞る手がかりになります。
さらに、葉裏の虫や土の状態も確認すると、見当違いの対策を減らせます。
この記事では、苦土・カリウム・窒素・カルシウムの欠乏を中心に、
現場でよく使う、葉が黄色くなる原因の見分け方と、原因に合った対策を紹介します。
葉が黄色いときは「葉の位置・黄ばみ方・広がり方」を見る
まずは、黄色い葉を1枚だけ見るのではなく、株全体を少し離れて眺めてみてください。
(深呼吸して少し距離をとりましょう)
確認する順番は、次の3つです。
- 古い葉と新しい葉、どちらから症状が出ているか
- 葉脈の間・葉の縁・葉全体、どこが黄色いか
- 1株だけか、畑の一部か、広い範囲に出ているか
代表的な症状をまとめると、次のようになります。
| 黄化する場所・症状 | 考えられる原因 | 一緒に確認したいこと |
|---|---|---|
| 古い葉の葉脈が緑に残り、葉脈の間が黄色い | 苦土〈マグネシウム〉欠乏 | カリの施用量、地温、根の状態 |
| 古い葉の縁から黄色くなり、褐色に枯れる | カリウム欠乏 | 追肥履歴、乾燥、肥料の与えすぎ |
| 古い葉から葉全体が淡くなり、生育も弱い | 窒素欠乏 | 肥料切れ、根の傷み、生育段階 |
| 新しい葉が変形し、葉先・葉縁や生長点が傷む | カルシウム欠乏など | 水分の変動、根の状態、害虫 |
| 新しい葉の葉脈を残して黄色くなる | 鉄欠乏など | 土壌pH、根の状態 |
| 細かい白〜黄色の斑点が広がる | ハダニなどの吸汁被害 | 葉裏の虫・卵・糸 |
この表は、原因を絞るための目安です。
作物や品種によって症状は異なり、複数の原因が重なることもあります。
なぜ古い葉から黄色くなるの?
苦土・カリウム・窒素は、植物の中で再移動しやすい養分です。
不足すると、古い葉から新しい葉へ養分が移動しやすいため、古い葉から欠乏症状が出る傾向があります。
一方、カルシウムは、一度古い葉に取り込まれると、新しい葉へ再移動しにくい養分です。そのため、供給が不足すると、新葉や生長点に異常が出やすくなります。
「下の葉か、上の葉か」を見るのには、こうした理由があります。
ただし、つるを誘引する作物などでは、位置だけでなく、葉が古いか新しいかも確認しましょう。
黄化する場所から考える、4つの養分不足と対策

古い葉の葉脈の間が黄色いなら、苦土欠乏を疑う
葉脈は緑色なのに、その間が黄色く抜けて見える。こんな症状が古い葉に出ているときは、苦土欠乏が候補になります。
苦土とはマグネシウムのことです。葉の緑色をつくる葉緑素の構成成分で、光合成にも欠かせません。
欠乏が進むと、黄化した部分に褐色の斑点が現れ、枯れ込むこともあります。ただし、ジャガイモなどでも病気や環境による傷みと似る場合があるため、葉色だけで決めつけないことが大切です。
苦土補給には、硫酸マグネシウムが選択肢になります。
土壌に施用する方法のほか、葉面散布に対応した製品なら、葉から補給することもできます。
ただし、「硫酸マグネシウムなら、どの商品でも葉に散布できる」とは考えないでください。土壌用の製品には、溶け残りによって散布器具が詰まるものもあります。参考:ナイカイ商事「肥料Q&A」
葉面散布をする場合は、次の順番で確認します。
- 葉面散布に対応した製品か確認する
- 対象作物の希釈倍率・散布量・散布間隔を確認する
- 表示どおりに計量して溶かす
- 高温時など、製品が避けるよう指定している条件では散布しない
- 散布後は黄化の広がりと、その後の生育を観察する
濃くすれば早く回復するわけではありません。ほかの肥料や農薬と混ぜる場合も、混用できるかを確認しましょう。
選ぶポイント:土壌施用か葉面散布か、使いたい方法に対応していること。家庭菜園では使い切れる容量も大切です。
古い葉の縁が黄色いなら、カリウム欠乏を疑う
葉の縁から黄色くなり、進むと縁が焼けたように褐色になる。このような症状では、カリウム欠乏を考えます。
苦土欠乏との違いを大まかに覚えるなら、「葉脈の間は苦土、葉の縁はカリ」が観察の出発点です。
ただし、乾燥や肥料濃度が高すぎる場合にも葉の縁が傷むため、
最近の降雨、水やりや追肥の量を振り返ってください。
カリウムの補給が必要な場合は、硫酸カリウム〈硫酸加里〉が選択肢になります。カリを補給する速効性の肥料として販売されています。参考:朝日アグリア「硫酸加里」
使用量は製品表示と作物の施肥基準に合わせ、すでに与えた化成肥料に含まれるカリも考慮します。
ここで気をつけたいのが、カリの与えすぎです。
カリが過剰になると、苦土の吸収が抑えられることがあります。
「下葉が黄色いから、苦土とカリを両方多めに入れておこう」とすると、
かえって原因が分かりにくくなります。どちらが必要なのかを確認してから補いましょう。
選ぶポイント:カリの保証成分と使用量が確認でき、栽培面積に合った容量であること。
古い葉全体が淡くなるなら、窒素欠乏も候補
古い葉から全体的に色が薄くなり、株の伸びも弱い。こうした場合は、窒素不足が候補になります。
葉脈の間だけが抜けるというより、葉全体の緑が淡くなるイメージです。
ただし、トウモロコシなどでは特徴的な出方をするため、作物ごとの確認も必要です。
「全体が黄色い」と感じたときは、
葉1枚全体なのか、株全体なのか、畑全体なのかを分けて見てください。
追肥の時期を過ぎていないか、根が傷んでいないか、収穫終盤の自然な黄化ではないか。この3点を確認してから、窒素補給を考えます。
不足が疑われる場合は、窒素肥料や、窒素を含む追肥用肥料を使用します。
家庭菜園なら少量を計量しやすいもの、農家の畑なら施肥設計に合わせて成分量を調整できるものが扱いやすいでしょう。
窒素を多く与えすぎると、作物によっては茎葉ばかりが茂ったり、成熟が遅れたりします。葉色を濃くすることだけを目標にせず、生育段階に合った量を補います。
選ぶポイント:窒素の含有量、ほかに含まれる成分、元肥用か追肥用かを確認すること。
新しい葉の変形や葉先の枯れは、カルシウム欠乏も考える
新しい葉がうまく開かない、形がいびつになる、葉先や葉の縁が枯れる。
こうした症状では、カルシウム欠乏も候補になります。
カルシウムは古い葉から新しい葉へ再移動しにくいため、
生長中の部分に継続して届くことが大切です。
ただし、新しい葉が黄色いだけで、カルシウム欠乏とは判断できません。
葉脈を残して黄化する場合は鉄欠乏など、変形が目立つ場合は害虫やほかの要素欠乏も確認します。
また、カルシウムの不足症状は、土にカルシウムが少ない場合だけに起こるものではありません。水分の変動などで必要な部分への供給が追いつかないこともあります。トマトやピーマンの尻腐れも、その一例です。
そのため、対策は水やりや排水、根の状態の確認から始めます。
Ca資材を使う場合は、用途を分けて選びましょう。
- 土壌の酸度も直したい場合:土壌pHを確認し、石灰資材の必要性を判断する
- 栽培中のCa補給を考える場合:その作物と施用方法に対応した資材を選ぶ
Ca資材には、土壌pHを上げるものや、窒素などを一緒に含むものがあります。
葉面散布したCaが株全体に十分行き渡るとは限らないため、葉面散布だけに頼らず、根から吸収できる環境も整えます。
選ぶポイント:「Ca入り」という表示だけでなく、土壌用・葉面散布用の区別と、ほかの含有成分を確認すること。
肥料を入れているのに黄色い?「吸えない原因」も確認しよう

「苦土は入れている。それなのに、苦土欠乏のような症状が出る」
そんなときは、土の中の量に加えて、根が吸収できる状態かを考えます。
植物は、土に含まれる養分をすべて使えるわけではありません。土の水に溶けた養分が根まで届き、根に取り込まれて、初めて利用できます。
地温が低いと、根からの吸収が追いつかないことがある
根の周囲が冷えると、根の生理活動や養分吸収が低下することがあります。
トマトの研究では、根の周囲を加温することでMg吸収が促され、葉の黄化が抑えられた例があります。反応には品種差もありました。参考:中野ら「トマトの根域加温はマグネシウムの吸収を促進することにより葉の黄化を抑制する」
北海道の春先や秋など、地温が下がる時期には、肥料の量だけでなく、
根の周囲の温度も確認項目に入れておきたいところです。
土が湿り続けると、根の酸素が足りなくなる
根も呼吸しています。
雨や水やりで土の隙間が水に満たされ続けると、酸素が不足し、養分を吸収する働きが低下します。土に肥料が残っていても、根が十分に利用できなくなるのです。参考:ミネソタ大学「過湿と根の養分吸収」
プランターなら排水穴や鉢底、畑なら水がたまる場所を確認しましょう。反対に、乾きすぎている場合も、水分管理を見直す必要があります。
カリの与えすぎで、苦土が吸われにくくなることもある
養分同士にも影響し合う関係があります。
カリウムが多すぎると苦土の吸収が抑えられる場合があり、
これを「拮抗作用」といいます。ただし、その程度は作物や栽培条件で異なります。
参考:カリウムによるMg吸収抑制を調べた研究
葉面散布は、こうした場合に葉から苦土を補給する方法の一つです。ただし、根の不調や施肥の偏りが続くなら、その原因も一緒に改善します。
同じ症状を繰り返す畑では、土壌分析でpHやカリ・苦土などの状態を確認すると、次の施肥を考えやすくなります。
ハダニ・病気・古い葉の老化も見落とさない
畑の端から目立つなら、葉裏も確認する
圃場の端や道路沿いから症状が目立つときは、ハダニなどの被害も確認したいところです。
ハダニの吸汁では、細かな白〜黄色の斑点が現れ、被害が進むと葉全体が黄ばんで見えることがあります。葉裏に虫や卵、細い糸がないか、ルーペなどで見てみましょう。
参考:カリフォルニア大学「ハダニの被害と観察方法」
ただし、端から出ているという理由だけでは決められません。畑の端は乾燥や風の影響なども受けます。中央部の株と比べながら、葉裏まで確認することが大切です。
害虫が原因なら、肥料を追加しても原因は取り除けません。防除が必要な場合は、作物と害虫を確かめ、使用できる方法を選びます。
斑点やしおれがある場合は、病気なども考える
黄色い部分に褐色の斑点がある、茎まで傷んでいる、株の片側だけがしおれる。こうした症状では、肥料不足以外の原因も調べます。
症状が急に広がる場合や判断が難しい場合は、株全体・葉の表・葉の裏の写真を残して、JAや普及指導機関などへ相談すると状況を伝えやすくなります。
古い葉が少し黄色いだけなら、生育段階も見る
葉にも寿命があります。
下の古い葉だけが少しずつ黄化し、新しい葉や株全体の生育に問題がなければ、老化や日当たりの変化が関係している場合もあります。
また、ジャガイモや玉ねぎなど、成熟に伴って葉が黄化・枯死していく作物もあります。栽培終盤の黄化をすべて肥料切れと考えず、収穫までの時期も合わせて判断しましょう。
対策後は「古い葉が緑に戻ったか」だけで判断しない

肥料を補給したあと、株全体が緑に戻ったように見えることがあります。
ただし、黄色くなった葉そのものが、すべて元に戻ったとは限りません。
傷みの進んだ古い葉は黄化が残り、その後枯れていく一方、新しく展開する葉には黄化が出ず、健全な緑色の葉が増えることで、株全体が回復して見える場合があります。
ここは、意外と勘違いしやすいところです。
葉色の改善が見られる場合もありますが、褐色になって枯死した部分は元には戻りません。Mg欠乏の研究でも、補給の時期によって回復できる段階と、回復できない段階があることが示されています。参考:小林ら「Mg欠乏とイネの葉の老化」
対策のあとに見たいのは、次の3点です。
- 黄化がほかの葉へ広がっていないか
- 新しく展開する葉が健全か
- 株の伸びや生育が改善しているか
新しい葉が緑色でも、下葉の黄化が進み続けていれば、それだけで回復したとは判断できません。症状の広がりと生育を一緒に見ます。
散布前から同じ葉を写真に残しておくと、「その葉の色が変わった」のか、
「新しい葉が増えた」のかを区別できます。
葉色がすぐに変わらないからといって、短い間隔で肥料を重ねるのは避け、製品の使用間隔を守って観察しましょう。
最後に、葉が黄色くなったときは、まず古い葉か新しい葉か、葉脈の間か葉の縁かを確認してみてください。
そこから葉裏、土の状態、最近の天候や施肥へと目を向けると、必要な対策が見えてきます。肥料は、その原因に合ったものを必要な分だけ補うことが大切です。
皆さんで美味しい作物を作りましょう!
