オオタバコガの発生予察情報が発令|トマト・スイートコーンで注意したい被害と防除の考え方

トウモロコシ
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こんにちはチーパパです。

北海道病害虫防除所から、令和8年度 病害虫発生予察情報 第7号 注意報第2号として、
オオタバコガに関する注意報が発表されました。

内容は、オオタバコガがフェロモントラップに多く誘殺されており、
速やかな薬剤防除が必要というものです。

オオタバコガは、トマト、ミニトマト、スイートコーン、ピーマン、
レタス、キャベツ、ブロッコリー、花き類など、かなり幅広い作物を加害する害虫です。

特に厄介なのは、幼虫が果実や蕾に穴をあけて中に入り込むことです。
一度中に入ってしまうと薬剤が届きにくくなり、防除が後手に回りやすくなります。
(困る!!)

今回は、北海道病害虫防除所の発生予察情報と、オオタバコガの特徴をもとに、トマトやスイートコーンで注意したい被害、防除の考え方、薬剤ローテーションのポイントを整理します。

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オオタバコガの発生予察情報のポイント

今回の注意報で特に押さえておきたいのは、発生が平年より早く、
誘殺数も多いという点です。

北海道病害虫防除所の資料では、長沼町での初誘殺は5月18日でした。
平年は6月16日なので、かなり早い確認です。

また、比布町では5月12日に初誘殺が確認されています。
こちらも平年の6月4日より早く、例年より前倒しで発生していることが分かります。

さらに、長沼町と比布町では、誘殺数も平年より多く推移しています。

オオタバコガは高温に経過すると、約1か月ほどで次世代が発生するとされています。
つまり、早い時期に飛来や産卵が始まると、その後の世代が増え、
8月から9月にかけて被害が大きくなる可能性があります。

また、本種は道外から成虫が長距離飛来することが知られています。
(台風などの風にのって飛来するとのこと)
現在、誘殺が確認されていない地域でも、まだ大丈夫と決めつけず、
圃場観察を続けることが重要です。

オオタバコガとはどんな害虫か

オオタバコガは、チョウ目ヤガ科の害虫です。成虫はガですが、実際に作物を食害するのは幼虫です。

加害する作物は非常に広く、主なものとして以下があります。

  • トマト、ミニトマト
  • スイートコーン
  • ピーマン
  • レタス
  • キャベツ
  • ブロッコリー
  • 花き類

葉だけを食べる害虫であれば、多少の食害で済むこともあります。
しかし、オオタバコガは果実、蕾、花、新芽など、
商品価値に直結する部位を好んで食害します。

トマトであれば果実に穴をあけます。花き類では蕾や花に入り込みます。
スイートコーンでは雌穂や包葉部から入り、子実を加害することがあります。

また、幼虫の色が一定ではない点も厄介です。

若齢幼虫のときに食べたものによって、老齢幼虫になったときの色が変わることがあります。トマトを食べていれば茶褐色っぽく、葉菜類を食べていれば黄緑色っぽくなることもあります。

つまり、色だけで判断しようとすると見落とす可能性があります。食害痕、穴、フン、果実や蕾の異変をセットで見ることが大切です。

被害の特徴 中に入られると防除が難しい

オオタバコガの被害で特に注意したいのは、果実や蕾の中に入り込む食入被害です。

トマト・ミニトマトでの被害

トマトやミニトマトでは、果実に小さな穴をあけて中に入り込みます。

外から見ると、小さな穴だけに見えることがあります。
しかし、中では幼虫が果肉を食害しているため、商品価値は大きく落ちます。

家庭菜園でも、収穫しようとしたトマトに穴があり、
中を見たら幼虫がいたというケースがあります。

絶望です。。

スイートコーンでの被害

スイートコーンでは、絹糸や包葉部付近から侵入し、雌穂の中で子実を加害することがあります。

外側からは分かりにくく、収穫して皮をむいたときに被害に気づくこともあります。

特に絹糸が出る時期以降は、雌穂まわりの確認が重要になります。

これも絶望です。。

花き類での被害

花き類では、蕾や花に食入する被害が問題になります。

蕾の中に入られると、薬剤が届きにくくなり、見た目の品質にも大きく影響します。

若齢幼虫のうちは新芽や生長点、蕾の表面付近を食害しますが、齢期が進むと内部へ入り込みやすくなります。

そのため、防除は発生してから慌てるよりも、
発生予察情報や圃場観察をもとに、若齢幼虫のうちに先手を打つことが重要です。

これは絶望です。。

なぜ今、注意が必要なのか

オオタバコガは、もともと西日本以南で問題になりやすい害虫という印象を持っている方もいるかもしれません。(温かいところの害虫のイメージ)

しかし近年は、温暖化の影響もあり、活動範囲が広がっているとされています。
北海道や東北でも被害が確認されており、これまで少なかった地域でも他人事ではなくなっています。

発生時期が前進すると、早い時期から産卵、ふ化、幼虫の食害が始まります。

さらに、高温で経過すると次世代の発生も早まります。
オオタバコガは発生時期が年4から5回程度あり、
8月から9月に多くなりやすいとされているため、
初期の発生を軽く見ないことが大切です。

特に今年のように初誘殺が平年より早く、誘殺数も多い年は、早めの確認と防除判断が必要になります。

圃場で確認したいポイント

オオタバコガは、見つけたときにはすでに果実や蕾の中に入っていることがあります。

圃場では、以下のポイントを確認してみてください。

  • トマト、ミニトマトの果実に小さな穴がないか
  • ヘタ周辺や果実表面に食入痕がないか
  • 果実の近くに幼虫のフンがないか
  • スイートコーンの絹糸や包葉部に食害がないか
  • 新芽、生長点、蕾、花にかじり跡がないか
  • 被害果や被害花の内部に幼虫がいないか
  • 同じ株だけでなく、周辺株にも被害が広がっていないか

被害果や被害花を見つけた場合は、そのまま放置しないことも大切です。

中に幼虫がいる場合、周辺へ移動して次の果実や蕾を加害する可能性があります。
被害部位を取り除き、周辺の作物もあわせて確認しましょう。

防除の考え方 若齢幼虫を狙って早めに対応する

オオタバコガ防除で重要なのは、若齢幼虫のうちに対応することです。

果実や蕾の中に入り込んでからでは、薬剤が届きにくくなります。
そのため、成虫発生情報を確認し、ふ化幼虫を対象に早めに防除する考え方が大切です。

防除所の発生予察情報では、薬剤防除は成虫発生期からふ化幼虫を対象に早めに実施することが重要とされています。

また、薬剤散布後も圃場観察を続け、被害を確認した場合は薬剤防除を継続する必要があります。

1回散布したから終わりではありません。オオタバコガは飛来性があり、発生が続くこともあります。ここを雑にすると、あとで作物の中から幼虫が登場します。

IRACコードを意識したローテーションが重要

オオタバコガは薬剤抵抗性が発達しやすい害虫とされています。

そのため、同じ系統の薬剤を連用するのではなく、
IRACコードを意識してローテーション防除を行うことが重要です。

IRACコードとは、殺虫剤の作用機構を分類した番号です。
同じIRACコードの薬剤を続けて使うと、抵抗性発達のリスクが高まります。

薬剤を選ぶときは、農薬名だけでなく、IRACコードも確認するようにしましょう。

トマト・ミニトマトで登録のある主な薬剤例

以下は、2026年6月19日時点の北海道病害虫防除所資料に掲載されている、トマト・ミニトマトでオオタバコガに登録のある薬剤例です。

農薬登録は変更されることがあります。実際に使用する場合は、必ず最新の農薬ラベル、登録内容、使用基準を確認してください。

薬剤名 IRACコード 位置づけ 注意点
スピノエース顆粒水和剤 5 チョウ目害虫に使われる薬剤例 同系統の連用は避け、使用基準を確認する
ディアナSC 5 オオタバコガ防除で選択肢に入る薬剤例 IRAC 5の連用に注意する
ダブルシューターSE ー、5 複数成分を含む薬剤例 成分ごとの系統を確認する
アニキ乳剤 6 チョウ目害虫に使われる薬剤例 アファーム乳剤と同系統のため連用に注意する
アファーム乳剤 6 発生時の防除選択肢 IRAC 6の連続使用は避ける
コテツフロアブル 13 ローテーションの一つとして使われる薬剤例 作物登録、使用時期を確認する
アタブロン乳剤 15 幼虫の発育を阻害するタイプの薬剤例 若齢幼虫を意識して使う
カスケード乳剤 15 IGR系の薬剤例 食入前の早めの使用を意識する
マッチ乳剤 15 若齢幼虫対策で使われる薬剤例 IRAC 15の連用に注意する
カウンター乳剤 15 ローテーション候補の一つ 使用できる作物、使用時期を確認する
マトリックフロアブル 18 発育制御系の薬剤例 効果の出方を理解して使う
アクセルフロアブル 22B 異なる作用機構としてローテーションに使える薬剤例 他剤との系統重複を確認する
プレバソンフロアブル5 28 チョウ目害虫で使われる薬剤例 IRAC 28同士の連用に注意する
フェニックス顆粒水和剤 28 チョウ目害虫向けの薬剤例 プレバソン、ベネビアなどと同系統
ベネビアOD 28 ローテーション候補の一つ IRAC 28の使用回数に注意する
ヨーバルフロアブル 28 チョウ目害虫対策の薬剤例 同系統連用を避ける
グレーシア乳剤 30 異なる作用機構の薬剤例 使用基準と対象作物を確認する
サイモディスDC 30 IRAC 30の薬剤例 グレーシア乳剤との系統重複に注意する
プレオフロアブル UN 作用機構が未分類の薬剤例 最新の登録情報を確認して使用する

スイートコーンで登録のある主な薬剤例

以下は、2026年6月19日時点の北海道病害虫防除所資料に掲載されている、スイートコーンでオオタバコガに登録のある薬剤例です。

実際に使用する場合は、必ず最新の農薬ラベル、登録内容、使用基準を確認してください。

薬剤名 IRACコード 位置づけ 注意点
ディアナSC 5 スイートコーンのオオタバコガ防除で使われる薬剤例 IRAC 5の連用に注意する
アニキ乳剤 6 チョウ目害虫対策の薬剤例 アファーム乳剤と同系統
アファーム乳剤 6 発生時の防除候補 IRAC 6の連用を避ける
コテツフロアブル 13 ローテーション候補 作物登録と使用時期を確認する
カスケード乳剤 15 若齢幼虫向けに考えたい薬剤例 食入前の防除を意識する
プレバソンフロアブル5 28 チョウ目害虫で使われる薬剤例 IRAC 28の連用に注意する
フェニックス顆粒水和剤 28 ローテーション候補 同系統薬剤との使い分けを確認する
ベネビアOD 28 チョウ目害虫防除の薬剤例 IRAC 28の使用回数に注意する
ヨーバルフロアブル 28 スイートコーンでの登録薬剤例 最新ラベルを確認する
プレオフロアブル UN 作用機構が未分類の薬剤例 登録内容と使用基準を確認する

BT剤はどう考えるか

オオタバコガ対策では、BT剤も選択肢の一つとして考えられます。

BT剤は、バチルス・チューリンゲンシスという微生物由来の成分を利用した殺虫剤です。主にチョウ目害虫の幼虫に使われます。

ポイントは、食べさせて効かせるタイプということです。

そのため、若齢幼虫が葉や蕾の表面付近を食べている段階では効果を期待しやすい一方で、すでに果実や蕾の中に入ってしまった幼虫には効きにくくなります。

家庭菜園での注意点

家庭菜園でトマトやミニトマト、スイートコーンを作っている方も、
オオタバコガには注意が必要です。

特にトマトでは、果実に小さな穴が開いている場合、
中に幼虫が入っている可能性があります。

被害果を見つけたら、その果実だけでなく、周辺の果実も確認しましょう。

また、被害果をそのまま放置すると、幼虫が移動して別の果実を食害する可能性があります。被害果は取り除き、圃場内に残さないようにしましょう。

スイートコーンでは、絹糸が出る時期以降が特に注意です。
雌穂の先端部や包葉の周辺を確認し、食害痕やフンがないか見てください。

家庭菜園で農薬を使う場合も、農家と同じく使用基準を守る必要があります。

  • 登録作物に使える農薬か
  • 対象害虫にオオタバコガがあるか
  • 希釈倍率は正しいか
  • 収穫前日数を守っているか
  • 使用回数を超えていないか

家庭菜園だから少しくらい大丈夫、という判断は危険です。農薬はラベルが法律です。

防虫ネットは有効か

家庭菜園では、防虫ネットを使うことで成虫の飛来や産卵を減らせる場合があります。

ただし、作物や栽培環境によっては、蒸れや作業性の問題もあります。

特にトマトやスイートコーンのように草丈が高くなる作物では、ネットの設置方法を工夫しないと管理が難しくなります。

また、すでに中に幼虫が入っている状態でネットを張っても、被害は止まりません。
ネットを使う場合も、設置前の観察が大切です。

まとめ 果実に入られる前の早めの対応が重要

2026年は、オオタバコガの初誘殺が平年より早く、誘殺数も多く推移しています。

長沼町、比布町での発生が早いことに加え、オオタバコガは道外から長距離飛来することが知られているため、現在確認されていない地域でも注意が必要です。

トマトやミニトマトでは果実に穴をあけて中に入り込み、スイートコーンでは雌穂や包葉部から侵入して子実を加害することがあります。

一度中に入ると薬剤が届きにくくなるため、防除は若齢幼虫を狙って早めに行うことが重要です。

また、オオタバコガは薬剤抵抗性が発達しやすい害虫です。
同じ系統の薬剤を続けて使うのではなく、
IRACコードを確認しながらローテーション防除を心がけましょう。

最終的には、発生予察情報、圃場観察、最新の農薬登録情報をもとに判断することが大切です。

まだ見えていないから大丈夫ではなく、中に入られる前に見る。これがオオタバコガ対策の基本です。

みなさんで美味しい作物を作りましょう!

参考資料

  • 北海道病害虫防除所「令和8年度 病害虫発生予察情報 第7号 注意報第2号 オオタバコガがフェロモントラップに多誘殺 速やかな薬剤防除を」2026年6月22日

 

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