【2025年以降版】てんさいのシロイチモジヨトウ対策
― 効かない時代に選ぶべき農薬3選と正しい使い分け ―
てんさい栽培において、近年とくに問題となっている害虫がシロイチモジヨトウです。
本害虫は突発的に発生し、短期間で大きな被害をもたらすため、防除の遅れがそのまま収量低下につながります。
さらに近年では、”特定の殺虫剤系統に対する感受性低下(薬剤抵抗性)”が指摘されており、
「これまで使ってきた薬が効かない」という事例も少なくありません。
こんにちはチーパパです。
昨年北海道にて急遽話題になったシロイチモジヨトウ。。
結局来年何をつかえばいいのか困っているかた多いかと思います。
今回はそんなシロイチモジヨトウと農薬について。
2025年以降の防除では、
「何を使うか」だけでなく、「どう使い分けるか」が重要になっています。
本記事では、資料をもとに、
てんさいのシロイチモジヨトウ防除で中核となるであろう3剤
- ブロフレア
- ディアナ
- ファルコン
について、作用機構・特徴・防除体系での位置付けを丁寧に解説します。
シロイチモジヨトウとはどのような害虫か

シロイチモジヨトウはチョウ目ヤガ科の害虫で、以下の特徴を持ちます。
- 飛来性害虫で、発生予測が難しい
- 葉を集中的に食害し、生育後半でも被害が出やすい
- 薬剤抵抗性を獲得しやすい
北海道では、8月下旬以降に発生が目立つ傾向があり、
ヨトウガ(第2世代)やシロオビノメイガと同時期に問題となります。
なぜ「効く農薬選び」が重要なのか
現在、シロイチモジヨトウに対しては、
- 有機リン剤
- 合成ピレスロイド剤
- 一部ジアミド系薬剤
で効果が低い、または不安定とされる報告があります。
そのため、2025年以降の防除では
作用機構の異なる薬剤を理解し、計画的に使うことが不可欠です。
① ブロフレアSC
有効成分:ブロフラニリド(IRACグループ30)
作用機構と特徴
ブロフレアSCは、IRAC(国際殺虫剤抵抗性対策委員会)により
世界で初めてグループ30に分類された新規作用機構を持つ殺虫剤です。
- メタジアミド系
- 害虫の神経伝達(GABA受容体)に作用
- 既存薬剤とは異なる作用点
このため、従来剤に抵抗性を示す害虫にも高い効果を発揮します。
新しい成分の剤!

主な特徴
- チョウ目・ハムシ専用剤
- 散布後数時間で効果を発揮する高い速効性
- 約3週間の長い残効性
- 雨に強く、効果が安定
てんさいでの位置付け(2025年)
てんさいでは、”8月下旬以降のシロイチモジヨトウ・ヨトウムシ対策の「特効薬」”として位置付けられています。
- 使用倍率:2,000〜4,000倍
- 使用期限:収穫7日前まで
- 反コスト(10a):約380円〜770円
② ディアナSC
有効成分:スピネトラム(IRACグループ5)
作用機構と特徴
ディアナSCは、放線菌由来成分を基にしたスピノシン系殺虫剤です。
害虫の神経系(ニコチン性アセチルコリン受容体)に作用し、麻痺を引き起こします。
主な特徴
- チョウ目害虫に対して卓効
- アザミウマ類、ハモグリバエ類にも効果
- 摂食行動を速やかに抑制
- 収穫前日まで使用可能な作物が多い
てんさいでの位置付け(2025年)
ディアナSCは、
ローテーション防除の基幹剤として重要な役割を担います。
- 使用倍率:2,500〜5,000倍
- 使用期限:収穫前日まで
- 反コスト(10a):約530円〜1,060円

③ ファルコン(ファルコンエースフロアブル)
有効成分:メトキシフェノジド+スピノサド
IRACグループ18+5
作用機構と特徴
ファルコンエースは、2つの異なる作用機構を併せ持つ薬剤です。
- メトキシフェノジド(グループ18)
- IGR(昆虫成長制御剤)
- 幼虫の脱皮を異常に促進し致死させる
- スピノサド(グループ5)
- 神経系に作用し摂食を停止させる
主な特徴
- チョウ目害虫専用
- 若齢幼虫への高い効果
- 浸達性があり葉裏まで効く
- 残効は約14日程度
てん菜防除での考え方
ファルコンは、
発生初期やローテーションの1手目として使いやすい薬剤です。
- 反コスト(10a):約370円〜830円
ファルコンは脱皮阻害(グループ18)とディアナと同じ系統(グループ5)
の作用が混ざった商品!

作用機構の比較まとめ
| 薬剤名 | IRACグループ | 系統 | 主なターゲット | 残効の目安 |
|---|---|---|---|---|
| ブロフレア | 30 | メタジアミド系 | チョウ目・ハムシ | 約3週間 |
| ディアナ | 5 | スピノシン系 | チョウ目・アザミウマ | 約8~14日 |
| ファルコン | 18(+5) | IGR+スピノシン | チョウ目専用 | 約14日 |
2025年に推奨される防除の考え方
これら3剤は作用機構がすべて異なるため、
- ファルコン(初期)
- ディアナ(中間)
- ブロフレア(切り札)
といったローテーション防除を組むことで、
害虫に薬剤抵抗性をつけにくい、持続的な防除が可能になります。。
が全部使うのはコストかかります。
コスト面と今年の使用感から、
即効性のあるブロフレアと、2成分が混ざったファルコンが、
オススメ!!
まとめ
シロイチモジヨトウは、
風に乗って飛来し、従来の薬が効きにくくなってきた「厄介な害虫」です。
だからこそ、
- 効く薬剤を理解し
- 作用機構を意識して
- 適期に、計画的に使う
ことが、被害を最小限に抑える近道です。
2026年のてん菜防除では、
ブロフレア・ディアナ・ファルコンを軸にした賢いローテーション防除を実践していきましょう。

