最近、愛知県でテンサイシストセンチュウが見つかったという情報を見て、
「北海道は大丈夫なのか?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
こんにちはチーパパです。
てんさい産地である北海道にとって、
こうした話はどうしても他人事ではないでよね。
この記事では、テンサイシストセンチュウとは何か?
品種の抵抗性や、現場でまず意識したい対策についてもあわせてまとめます。
テンサイシストセンチュウとは?
テンサイシストセンチュウは、学名を Heterodera schachtii という植物寄生性線虫です。名前に「テンサイ」と入っていますが、てんさいだけの問題ではないようです。
キャベツなどのアブラナ科作物、
ホウレンソウ、トマトなども関係する線虫とされています。
この線虫は根に寄生し、作物に生育不良、黄化、しおれ、萎縮、収量低下などを引き起こします。
てんさいでは、ひげ根が異常に増えて根形が乱れ、収量が大きく落ちることが知られています。(海外では)
見た目には地上部の生育ムラとして見えることもありますが、
問題の本体は土の中にあります。
さらに厄介なのは、雌成虫がやがてシストになり、
その中に卵を残したまま土壌中で長く生き残ることです。つ
まり、一度入ると「今年だけ気をつければ終わり」という話になりにくく、
圃場単位で長く付き合うことになりやすい病害虫です。


出典:植物防疫所
国内ではどこで見つかっているのか
国内で最初に確認されたのは、2017年の長野県です。その後、2023年には山梨県でも確認され、2026年4月には愛知県でも特殊報が出ました。農林水産省の緊急防除情報でも、防除区域として長野県の一部地域が示されています。
この流れを見ると、国内ではまだ広く一般化している段階とは言いにくい一方で、
「一部地域の特殊な話」と片付けるのも危ないと感じます。
寄主作物が広く、土壌とともに動く害虫だからです。
愛知県で2026年に見つかった内容
愛知県では、2026年4月7日に「令和8年度病害虫発生予察特殊報第1号(テンサイシストセンチュウ)」が公表されました。
発生が確認されたのは、東三河地域のキャベツほ場です。
愛知県の特殊報によると、生育不良株の周辺土壌からシストが見つかり、
名古屋植物防疫所での同定の結果、テンサイシストセンチュウと確認されました。
ここで大事なのは、「てんさい」という名前がついていても、
実際にはキャベツのようなアブラナ科作物でも問題になるという点です。
まぁてんさんを作っているのは北海道だけですからね。
北海道は大丈夫なのか
まず、北海道はテンサイシストセンチュウの緊急防除区域には入っていません。
農林水産省植物防疫所の情報では、
防除区域として示されているのは長野県の一部地域です。
北海道のてんさいの品種に抵抗性はあるのか
ここも気になるところですが、北海道で普及しているてんさい品種や新品種候補の資料を見ると、品種選定で重視されているのは主に、
そう根病、褐斑病、根腐病、黒根病などへの抵抗性です。
まぁ近年褐斑病激発してますしね。
一方で、今回確認した範囲では、北海道の主力品種や候補品種について、
テンサイシストセンチュウへの抵抗性はない様です。。。。
まとめ
テンサイシストセンチュウは、てんさいだけの話ではなく、
キャベツなどアブラナ科作物にも関係する厄介な線虫です。
国内では長野県、山梨県、愛知県で確認情報があり、
2026年には愛知県東三河地域のキャベツほ場で特殊報が出ました。
北海道については、公表ベースでの発生確認も見当たりませんでした。
ただし、だからといって完全に安心とは言えません。
てんさい産地である北海道だからこそ、今のうちから知っておく価値は高いと思います。
みなさんでおいしい甘みを楽しみましょう!!
参考文献
- 農林水産省 植物防疫所「テンサイシストセンチュウの緊急防除について」
- 農林水産省「テンサイシストセンチュウに関する情報」
- 愛知県「令和8年度病害虫発生予察特殊報第1号(テンサイシストセンチュウ)」および病害虫情報トップページ
- 農研機構「テンサイシストセンチュウ対策として輪作に使用可能な作物」 北海道立総合研究機構 てんさい品種資料「KWS 3K503」「HT55」
※この記事は、2026年4月時点の公表情報をもとに整理した内容です。
