玉ねぎの除草剤時期近づいてきましたね。
玉ねぎは、時期を外すと薬害だけでなく、
収穫時の見た目品質にも影響しやすい作物です。
今年は雑草も早くちょっといつもと違うやり方も。。。
こんにちはチーパパです。
この記事では、玉ねぎで使われることの多い
モーティブ乳剤、ゴーゴーサン乳剤、アクチノールB乳剤、
セレクト乳剤、ポルトフロアブルについて、
成分、使うタイミング、対象雑草、注意点を整理します。
そして、除草剤散布のポイント、6葉前後のオニ皮形成期と皮ムケリスク、
今年のように雑草発生が早い年の考え方まで、現場目線でまとめます。
玉ねぎで雑草防除が大事な理由
玉ねぎは初期生育が比較的ゆっくりで、雑草に先に伸びられると負けやすい作物です。
特に問題になりやすいのは、
スズメノテッポウ、スズメノカタビラ、タネツケバナ、ノミノフスマ、メヒシバ、
サナエタデ、ミチヤナギなどです。
玉ねぎの除草は、「草が見えてから考える」よりも、
「出る前にどこまで抑えるか」が基本です。
まず整理したい、玉ねぎ除草剤の基本
玉ねぎの除草剤は、大きく2つに分けると整理しやすいです。
- 土壌処理剤:雑草が出る前に使う
- 雑草茎葉処理剤:出てしまった雑草に使う
さらに茎葉処理剤は、
- 広葉雑草向け
- イネ科雑草向け
に分けて考えると分かりやすくなります。
除草剤散布は土壌処理剤と雑草処理剤の体系処理を基本とし、優先雑草に応じて薬剤を選んでいきましょう!
玉ねぎで使われる主な除草剤
モーティブ乳剤
モーティブ乳剤は、
ジメテナミドP(フィールドスターP乳剤)+ペンディメタリン(ゴーゴーサン乳剤)
の混合剤です。
玉ねぎでは、定植後雑草発生前に使う全面土壌処理剤で、
使用時期は定植45日後まで、使用回数は1回です。
10aあたりの薬量は200~400mL、希釈水量は100Lが目安です。
幅広い一年生雑草を発生前に抑えやすいのが強みですが、
砂土では使用しないことが注意点です。
遅い時期に使用すると効果が十分に出ない場合や、薬害である皮ムケの発生を助長する可能性も示されています。早めの適期処理を意識したい剤です。
ゴーゴーサン乳剤
ゴーゴーサン乳剤は、ペンディメタリン単剤の全面土壌処理剤です。
玉ねぎでは、定植後の雑草発生前に使い、
10aあたり300~400mL、希釈水量70~150Lが目安です。使用回数は1回です。
ただし、ゴーゴーサン乳剤とモーティブ乳剤は同じ成分を含むため、
使用はどちらか1回とされています。
アクチノールB乳剤
アクチノールB乳剤は、アイオキシニル単剤の雑草処理剤で、
主に畑地一年生広葉雑草が対象です。
10aあたり50~100mL、希釈水量70~100L、雑草生育初期に使い、
収穫30日前まで、高温時や生育状態によって薬害発生のおそれがあるため6月上旬までを意識するよう示されています。使用回数は2回です。
広葉雑草には使いやすい一方で、イネ科雑草には向きません。
特に高温時は葉の白変、湾曲、枯れなどの薬害が問題になりやすいため、
気温と玉ねぎの生育段階を見て慎重に使う必要があります。
高温時散布は薬害要因となります。
セレクト乳剤
セレクト乳剤は、クレトジム単剤の雑草茎葉処理剤で、一年生イネ科雑草向けです。
玉ねぎでは、イネ科雑草3~5葉期、収穫21日前まで、
10aあたり50~75mL、希釈水量100Lで使います。使用回数は3回です。
効果の発現は遅効性で、完全枯死まで7日前後、
スズメノカタビラはさらに数日かかることがあるとされています。
すぐに見た目が変わらないからといって、焦って重ね散布しないことが大切です。
ポルトフロアブル
ポルトフロアブルは、キザロホップエチル単剤のイネ科雑草向け処理剤です。
玉ねぎでは、イネ科雑草3~8葉期、収穫30日前まで、2回以内、
10aあたり200~300mL、希釈水量100Lが目安です。
こちらも遅効性で、完全枯死まで約1週間とされています。
また、ポルトフロアブルはスズメノカタビラには効果が劣るとされています。
比較表
| 薬剤名 | 有効成分 | 単剤/混合剤 | 処理方法 | 主な対象 | 10a薬量 | 使用時期 | 使用回数 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| モーティブ乳剤 | ジメテナミドP+ペンディメタリン | 混合剤 | 全面土壌処理 | 一年生雑草 | 200~400mL | 定植後雑草発生前(定植45日後まで) | 1回 | 発生前の先回り防除がしやすい | 砂土では使えない。遅い時期は効果不足や皮ムケ助長に注意 |
| ゴーゴーサン乳剤 | ペンディメタリン | 単剤 | 全面土壌処理 | 一年生雑草 | 300~400mL | 定植後雑草発生前(収穫30日前まで) | 1回 | 基本の土壌処理剤として使いやすい | 高温時や多薬量で生育抑制の恐れ。モーティブとどちらか1回 |
| アクチノールB乳剤 | アイオキシニル | 単剤 | 雑草処理 | 畑地一年生広葉雑草 | 50~100mL | 雑草生育初期(収穫30日前、6月上旬まで意識) | 2回 | 出てしまった広葉雑草に対応しやすい | 高温時薬害に注意。イネ科には向かない |
| セレクト乳剤 | クレトジム | 単剤 | 雑草茎葉処理 | 一年生イネ科雑草 | 50~75mL | イネ科雑草3~5葉期(収穫21日前まで) | 3回 | イネ科雑草を後から拾いやすい | 遅効性。スズメノカタビラはやや時間がかかる |
| ポルトフロアブル | キザロホップエチル | 単剤 | 雑草茎葉処理または全面散布 | 一年生イネ科雑草 | 200~300mL | イネ科雑草3~8葉期(収穫30日前まで) | 2回 | 大きめのイネ科雑草にも対応しやすい | 遅効性。スズメノカタビラには効果が劣る |
除草剤散布のポイント
1. 体系処理を基本に考える
土壌処理剤と雑草処理剤の体系処理を基本とします。
つまり、最初にモーティブやゴーゴーサンのような土壌処理で発生前を押さえ、
その後に圃場を見ながら、広葉雑草にはアクチノールB、
イネ科雑草にはセレクトやポルトを追加する考え方が基本です。
2. オニ皮形成期の散布は皮ムケリスクに注意

玉ねぎでは、保護葉、いわゆるオニ皮になる葉身が伸張する時期に除草剤を使うと、
皮が薄くなり皮ムケの原因になると言われています。
目安は、早生品種で出葉数6葉、中晩生品種で出葉数7~8葉です。
この出葉数はすでに枯れた葉も含めた葉数です。
ここは見落としやすいので要注意です。
6葉前後までにどこまで雑草を抑えておけるかが品質面でも重要になります。
3. 高温時散布と2度掛けは避けたい
高温時の散布と、散布後数日中に高温が予想される場合、
さらに2度掛けが薬害発生の原因になるとされています。
特にアクチノールBのような広葉剤は高温時薬害に注意が必要です。
ほんとに玉葱が踊った様に湾曲してしまいますよね。。。
4. 気温で効き方が変わるので薬量調整も必要
気温の上昇に伴い除草剤の効果が高まるので、
適宜薬量を調節することも忘れてはいけません
同じ薬量でも、低温期と気温上昇後では効き方や薬害リスクが変わります。
その時の条件を見て判断することが大切です。
5. 活着確認後の散布が基本
根がしっかり活着し、伸びていることを確認してから散布する!
移植直後でまだ根が弱い段階に無理に処理すると、
作物側が弱りやすくなります。
まずは玉ねぎが畑にきちんと立てているかを見てみましょう!
今年のように雑草発生が早い年はどう考えるか

今年のように雑草の立ち上がりが早い年は、
土壌処理だけでは取りこぼしが出やすくなります。
まずモーティブなどの土壌処理を軸にしながら、
その後の発生状況を見て、広葉雑草にはアクチノールB、
イネ科雑草にはセレクトを足していくような考え方が出てきます。
モーティブ350mLを軸にしつつ、
広葉の立ち上がりが早ければアクチノール30mLを意識する(混用)、
その後にアクチノール30mLとセレクト75mLで広葉とイネ科を整理するという発想です。
また、イネ科雑草は後からセレクトで拾いやすい場面もあるため、
まず広葉雑草を優先して、その後にイネ科を足す考え方も取りやすいです。
ただし、混用をしましょう!という話ではありません。
圃場状況とラベルを必ず確認して下さい。
モーティブとアクチノールの混用はどう考えるか
繰り返しになりますが、「全然混ぜて大丈夫っすよ」ではありません。
モーティブは土壌処理剤、アクチノールBは広葉雑草向けの雑草処理剤で、
そもそも役割も適期も違います。
今年のように雑草発生が早い年に、
安易に土壌処理へアクチノールを混ぜたくなる気持ちは分かりますが、
今一度確認をして下さい。
家庭菜園の人向けに一つだけ言うなら
家庭菜園では、まず草を「広葉か、イネ科か」でざっくり分けるだけでも
失敗しにくくなります。
そして、玉ねぎは薬害が見た目に出やすいので、暑い日に濃く撒く、
遅い時期に焦って撒く、ラベルを読まずに混ぜる、なんて事は避けましょう!
まとめ
- 玉ねぎの除草は、土壌処理剤と雑草処理剤の体系処理が基本
- 発生前の先回りなら、モーティブやゴーゴーサンなどの土壌処理剤
- 出てしまった広葉雑草にはアクチノールB乳剤
- イネ科雑草にはセレクト乳剤やポルトフロアブル
- スズメノカタビラまで意識するなら、ポルトよりセレクトを検討
- 今年のように雑草発生が早い年は、土壌処理と茎葉処理の混用も
- 早生6葉、中晩生7~8葉のオニ皮形成期は皮ムケリスクに注意
- 高温時散布、2度掛け、活着前散布は薬害リスクを高めやすい
- ゴーゴーサンとモーティブはどちらか1回
- モーティブとアクチノールの同時混用は、必ずラベルとメーカー確認が前提
結局のところ、玉ねぎ除草は「何を撒くか」だけでなく、
いつ、どの草に、どの段階で散布するかが大切です。
最後は必ず最新ラベルと地域の防除指針を確認して、無理のない体系で組んでください。
みんなでおいしい作物を作りましょう!
