ばれいしょ畑の雑草対策 センコル水和剤の効果・残効・注意点

イモ
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「風で土壌処理が飛んでしまった〜」

「土壌処理したのに、雑草が、、、」

「何散布できるの??」

こんにちはチーパパです。

ばれいしょ畑の雑草厄介ですよね。

ばれいしょ畑の除草で、よく名前が出てくる薬剤のひとつがセンコル水和剤です。

センコルは一年生雑草に幅広く効果があり、土壌処理と雑草処理の両方の性質を持つ除草剤です。ばれいしょ栽培では、植付け後の雑草対策として使いやすい一方で、使い方を間違えると薬害が出やすい薬剤でもあります。

特に現場で悩みやすいのが、次のような点ではないでしょうか。

  • じゃがいもが萌芽してから使える除草剤はセンコルしかないのか
  • センコルはいつまで使えるのか
  • 萌芽期に使うと薬害は出ないのか
  • 品種によってセンコルへの強さは違うのか
  • 砂質土や多雨条件でなぜ薬害が出やすいのか

この記事では、ばれいしょ除草剤としてのセンコル水和剤について、使用時期、対象雑草、作用機作、薬害が出やすい条件、品種別の感受性を整理します。

結論からいうと、センコルは便利な除草剤ですが、
萌芽期なら何でも安心して使える薬剤ではありません。

品種、土壌条件、降雨、散布ムラによって薬害リスクが変わります。特に感受性が高い品種では、萌芽期処理で黄化や生育抑制が出ることがあるため注意が必要です。

現場としては土壌処理した後の萌芽期に品種によって約40ml散布して、
ちょっと生えてきた初期の雑草を倒す感じでしょうか。
(多少薬害は出ますが、、20だと雑草倒せないし、、、50だと薬害の被害多そうですし、、)

注意

農薬の登録内容、使用量、使用時期は変更される場合があります。実際に使用する際は、必ず最新のラベル、農薬登録情報、地域の防除指針を確認してください。この記事は除草体系を考えるための情報整理であり、使用を一律に推奨するものではありません。

センコル水和剤とは

センコル水和剤は、主成分としてメトリブジン50%を含む除草剤です。

分類としては、非ホルモン型の吸収移行型除草剤で、トリアジン系に位置づけられます。土壌処理と雑草処理の両方の効果を持ち、残効が長く、幅広い草種に効果があるのが特徴です。

ばれいしょでは、北海道・東北地域が対象地域とされています。

センコルの特徴を簡単に整理すると、次のようになります。

  • 主成分はメトリブジン50%
  • 土壌処理と雑草処理の両方の効果を持つ
  • 雑草の根や茎葉から吸収される
  • 光合成を阻害して雑草を枯らす
  • 残効期間が比較的長い
  • 一年生イネ科雑草と一年生広葉雑草に幅広く効果がある

ただし、効果が広い薬剤ほど、作物側への影響も考える必要があります。ここを雑に扱うと、雑草だけでなくばれいしょまで元気をなくします。除草剤あるあるです。

センコルが効く主な雑草

センコル水和剤は、ばれいしょ畑で問題になりやすい一年生雑草に幅広く効果が期待できます。

一年生イネ科雑草

  • メヒシバ
  • イヌビエ
  • エノコログサ
  • スズメノテッポウ
  • スズメノカタビラ

一年生広葉雑草

  • シロザ
  • ハコベ
  • イヌタデ
  • ノボロギク
  • スカシタゴボウ
  • スベリヒユ
  • アオビユ
  • ツユクサ

多年生雑草

  • カタバミ類

ばれいしょ畑では、シロザ、タデ類、ツユクサ、ヒユ類などが問題になりやすい場面があります。センコルはこれらの広葉雑草にも効果が期待できるため、除草体系の中で重要な薬剤になります。

ただし、雑草が大きくなりすぎると効果が不安定になることがあります。雑草が育ってから慌てると、薬剤にも作業にも無理が出ます。雑草は人間の予定表を読んでくれません。

センコルの作用機作 なぜ雑草が枯れるのか

センコルは、雑草の光合成を阻害することで効果を発揮します。

雑草の発生前に処理された場合、土壌表層に薬剤の処理層を作ります。
そこから発芽してきた雑草が、主に根から薬剤を吸収し、地上部へ移行します

また、雑草が発芽した後、3〜4葉期程度で処理された場合は、
茎葉と根の両方から吸収され、雑草の葉で光合成が阻害されます。その結果、雑草は徐々に黄化し、やがて枯死していきます。

イメージとしては、葉を一気に焼くタイプではなく、光合成を止めてじわじわ効かせるタイプです。

このため、散布後すぐに見た目の変化が出ない場合もあります。効いていないと思って重ねて散布するような判断は危険です。薬害の入口で人間がわざわざドアを開けるようなものです。

ばれいしょでの使用時期 植付け直後から萌芽期まで

ばれいしょでのセンコル水和剤の使用時期は、基本的に植付け直後から萌芽期までです。

雑草に対しては、雑草発生前から3〜4葉期まで効果が期待できるとされています。

ここで大事なのは、雑草の生育ステージだけでなく、ばれいしょ側の萌芽状況も見ることです。

センコルは雑草にはよく効く薬剤ですが、ばれいしょ側にも品種によって感受性の違いがあります。つまり、同じ薬量、同じ時期に散布しても、品種によって薬害の出やすさが変わります。

そのため、現場では次のように考える必要があります。

  • 雑草はどのくらい出ているか
  • ばれいしょは萌芽前か、萌芽期か
  • 栽培品種はセンコルに強いのか、弱いのか
  • 土壌条件は薬害が出やすい条件ではないか
  • 散布後にまとまった雨が予想されていないか

単純に「萌芽期まで使える」と覚えるより、
その品種とその圃場で安全に使えるかを見ましょう!

萌芽後に使える除草剤はセンコルしかないのか

ばれいしょでは、萌芽後に使える除草剤の選択肢が限られます。

そのため、現場では「萌芽してからならセンコルしかないのでは」と考えられることがあります。

確かに、センコルは萌芽期まで使える場面があるため、萌芽後の選択肢として話題になりやすい薬剤です。

ただし、ここで大事なのは、萌芽後ならセンコル一択と単純化しないことです。

判断には、次の条件が関係します。

  • 最新の登録内容
  • ばれいしょの品種
  • 萌芽の進み具合
  • 雑草の大きさ
  • 土壌の種類
  • 有機物の量
  • 散布後の降雨
  • 散布ムラや重複散布のリスク

萌芽後に雑草が目立ってから対応しようとすると、選択肢はかなり狭くなります。だからこそ、ばれいしょの除草は植付け直後から体系で考えることが大切です。

センコルで薬害が出やすい条件

センコルは効果の高い除草剤ですが、条件によってはばれいしょに薬害が出ることがあります。

特に注意したい条件は次の通りです。

  • 有機物含有量が低い土壌
  • 砂質土や透水性の大きい土壌
  • 多量の降雨が続く条件
  • 重複散布
  • 枕地での薬量過多
  • 散布機の始動時や停止時の散布ムラ
  • 極端に乾燥している時の土壌処理
  • ビニールマルチ栽培やトンネル栽培

有機物が少ない土壌や砂質土では、薬剤が土壌に保持されにくく、作物の根がある層まで動きやすくなります。

また、透水性が大きい土壌や、散布後に多量の雨が降る条件では、薬剤が下層へ移動しやすくなります。その結果、ばれいしょの根から薬剤を吸収しやすくなり、黄化や生育抑制につながることがあります。

重複散布も非常に危険です。枕地、散布開始地点、散布終了地点では、知らないうちに薬量が多くなることがあります。

センコルは少しの散布ムラが薬害につながる場合があります。特に感受性の高い品種では、散布精度がそのまま薬害リスクになります。

品種による薬害差 センコルには感受性の違いがある

ばれいしょでは、品種によってセンコルへの感受性が異なります。

感受性が低い品種は比較的薬害が出にくいと考えられますが、感受性が高い品種では、萌芽期処理によって黄化症状や生育抑制が出る場合があります。

添付資料では、センコル水和剤の使用時期について、品種の感受性ごとに目安が示されています。

  • 感受性が低い品種:植付け直後から萌芽直前まで使用時期の幅が広い
  • 感受性がやや高い品種:萌芽直前より前までを目安にする
  • 感受性が高い品種:さらに早めの処理が望ましい
  • 感受性がより高い品種:使用はおすすめされていない

つまり、同じセンコル100g/10aでも、品種によって安全に使いやすい時期が変わるということです。

品種別の感受性目安

感受性 品種名 使用時期の考え方
低い アスタルテ、インカレッド、コナフブキ、キタアカリ、サクラフブキ、スタークイーン、スノーデン、スノーマーチ、男爵薯、十勝こがね、トヨシロ、ニシユタカ、農林1号、花標津、ピルカ、フロキーベニアカリ、紅丸、ホッカイコガネ、ムサマル 比較的使用時期の幅が広い。ただし重複散布や不良条件では薬害に注意。
やや高い コナユタカ、さやか、ポロシリ 感受性が低い品種より慎重に使う。萌芽が近い場合は特に注意。
高い インカパープル、オホーツクチップ、きたかむい、コナヒメ、コナユキ、とうや、パールスターチ、プレバレント、マチルダ、メークイン、ユキフタバ、ユキシロ、ユキラシャ、ワセシロ 萌芽期処理で黄化や生育抑制のリスクが高まる。早めの処理を基本に考える。
より高い アーリースターチ、インカのめざめ、きたひめ、ゆきつぶら 使用はおすすめされていない。薬害リスクを強く意識する。

特に注意したいのが、メークイン、ユキジロ、ワセシロなどです。

これらの品種では、萌芽期にセンコルを使用すると、黄化症状や生育抑制が見られ、場合によっては減収につながることがあります。

そのため、感受性が高い品種では、できるだけ萌芽前の早い段階で処理することが重要です。

採種用ばれいしょでは、さらに注意が必要です。センコルによる黄化や生育抑制が、ウイルス病の症状と紛らわしくなる場合があるためです。

採種用では、薬害なのか病害なのか判断がややこしくなると、現場確認も面倒になります。面倒なだけならまだしも、判断ミスにつながると困ります。採種用では必ず萌芽前散布を基本に考えたいところです。

センコルの使用量と考え方

添付資料では、ばれいしょでのセンコル水和剤の使用量として、100g/10aを前提にした使用時期の図が示されています。

ただし、重要なのは単に使用量だけではありません。

同じ100g/10aでも、次の条件で薬害リスクが変わります。

  • 品種の感受性
  • 萌芽までの日数
  • 土壌の種類
  • 有機物の量
  • 散布後の降雨
  • 散布精度

特に、感受性が高い品種では、使用量を守っていても、散布時期が遅いと薬害リスクが上がります。

つまり、センコルは「登録薬量を守ればそれで終わり」という薬剤ではなく、
登録薬量を守ったうえで、品種と散布時期を見る薬剤です。

 

センコルの残効期間とメリット

センコルの大きなメリットは、残効期間が比較的長いことです。

抑草期間はおよそ40〜50日とされており、処理がうまく決まれば、ばれいしょの初期生育期間の雑草を長く抑えやすくなります。

ばれいしょは初期の雑草競合を受けると、生育に影響が出やすくなります。そのため、植付け後から萌芽期にかけて雑草をしっかり抑えることは重要です。

センコルは一年生イネ科雑草と一年生広葉雑草に幅広く効果があり、
土壌処理と雑草処理を兼ねるため、除草体系の中で使いやすい薬剤です。

ただし、残効が長いということは、後作物への影響も考える必要があるということです。

後作物への注意 ダイコン・ハクサイは100日以上あける

センコルを使用した当年に後作物を作付けする場合は、後作物への影響にも注意が必要です。

ばれいしょ後作として、ダイコンやハクサイを作付けする場合は、
センコル処理後100日以上経過してから播種または移植する必要があります。

また、散布機の始動時や枕地などで重複散布が起きた場合、ばれいしょだけでなく、後作の秋まき小麦に薬害を生じることがあります。

除草剤は、その年の雑草だけを見て選ぶものではありません。後作物まで含めて考える必要があります。

隣接作物へのドリフト注意

センコルは、対象作物では使える薬剤ですが、隣接作物に飛散すると薬害の原因になります。

特に注意したい隣接作物として、次のようなものがあります。

  • てんさい
  • アブラナ科野菜
  • その他、センコルの登録がない作物

風の強い日の散布、圃場境界付近での散布、散布圧が高すぎる条件では、ドリフトのリスクが高まります。

また、水産動植物に影響を及ぼすおそれがあるため、河川、養殖池などに飛散・流入しないよう注意が必要です。

センコルの代替・組み合わせ候補

ばれいしょで使われる除草剤には、センコル以外にもいくつかの薬剤があります。

  • ロロックス水和剤
  • ラクサー乳剤
  • グラメックス水和剤
  • ゴーゴーサン乳剤

ただし、これらをセンコルの完全な代替として単純に置き換えることはできません。
(そもそも萌芽前ですね)

薬剤ごとに、使用時期、対象雑草、処理方法、作物への安全性、
土壌条件の注意点が異なります。

特に、萌芽後に雑草が出てから慌てて薬剤を探すと、使える選択肢が限られます。

ばれいしょの除草は、植付け直後から萌芽前までの処理をどう組むかが重要です。

現場での判断ポイント

センコルを使うかどうか判断する時は、次の点を確認しておきたいところです。

  • 栽培しているばれいしょの品種は何か
  • その品種のセンコル感受性は低いのか、高いのか
  • 現在は萌芽前か、萌芽期か、萌芽後か
  • 雑草は発生前か、何葉期か
  • 土壌は砂質か、透水性が高いか
  • 有機物が少ない圃場ではないか
  • 散布後にまとまった雨が予想されるか
  • 枕地や散布開始地点で重複散布のリスクがないか
  • 後作にダイコン、ハクサイ、秋まき小麦などを予定していないか
  • 隣接圃場にてんさいやアブラナ科野菜がないか

この中で、感受性の高い品種、砂質土、多雨予報、重複散布リスクが重なる場合は、かなり慎重に判断した方がよいです。

センコルは効く薬剤ですが、効く薬剤ほど使い方を間違えた時の反動もあります。

まとめ センコルは便利だが、萌芽後の安易な使用には注意

センコル水和剤は、ばれいしょ畑の一年生雑草に幅広く効果が期待できる除草剤です。

土壌処理と雑草処理の両方の効果を持ち、残効期間も比較的長いため、うまく使えば初期雑草を長く抑えることができます。

一方で、ばれいしょでは品種によって薬害の出やすさが異なります。

特に、メークイン、ユキジロ、ワセシロなどの感受性が高い品種では、萌芽期処理で黄化や生育抑制が出る場合があります。

また、アーリースターチ、インカのめざめ、きたひめ、ゆきつぶらなど、感受性がより高い品種では、使用自体がおすすめされていないとされています。

センコルを使う時は、次の点を必ず確認したいところです。

  • 品種別の感受性
  • 萌芽状況
  • 雑草の大きさ
  • 土壌条件
  • 散布後の天気
  • 散布ムラや重複散布
  • 後作物への影響
  • 隣接作物へのドリフト

萌芽後の除草剤選択肢が限られるからこそ、植付け直後から除草体系を組むことが大切です。

センコルは便利な薬剤ですが、「萌芽後ならセンコルで何とかなる」と考えるのは危険です。

品種と圃場条件を見ながら、薬害を出さない使い方を考えていきましょう。

農薬使用時の注意

農薬を使用する際は、必ず最新の農薬ラベル、登録内容、地域の防除指針を確認してください。使用時期、使用量、対象作物、対象雑草、使用回数などは変更される場合があります。本記事は情報整理を目的としたものであり、特定条件での使用を保証するものではありません。

 

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