6月上旬のたまねぎ防除判断|降雨後に見る病害と害虫のポイント

玉葱
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早いようでもう6月間近。

こんにちはチーパパです。

6月上旬の玉ねぎは、見た目には順調に伸びているように見えても、病害虫の確認を始めたい時期です。

北海道、特に玉ねぎ栽培が盛んな地域では、6月の天気によって防除の考え方が大きく変わります。

低温で湿った日が続く年は、白斑葉枯病や小菌核病に注意したいです。
逆に、雨が少なく高温気味の年は、ネギアザミウマの動きが早まることがあります。

この記事では、6月上旬の玉ねぎで見たい病害虫の症状、発生しやすい条件、防除の考え方、農薬選びの注意点を整理します。

※農薬を使用する場合は、必ず使用前に最新ラベル・農薬登録情報を確認してください。登録内容、対象作物、対象病害虫、使用回数、収穫前日数、希釈倍率は変更されることがあります。

6月上旬の玉ねぎ防除で見るべきポイント

6月上旬の玉ねぎ防除で、まず確認したいのは次の5つです。

  • 降雨後7日間は白斑葉枯病の初発に注意する
  • 15℃前後で多湿が続く場合は小菌核病に注意する
  • 高温少雨の年はネギアザミウマの発生が早まることがある
  • ネギハモグリバエは白い点状の食痕や線状の食害痕を見る
  • 発生してから慌てるより、予察と予防防除を意識する

白斑葉枯病について、6月以降に2日以上の連続降雨、または10mm以上のまとまった雨があった後、7日間ほど生育の良い株を観察して初発を探してみましょう!
特に降雨後の見回りは、防除判断の大事なきっかけになります。

6月上旬は、病害も害虫もまだ見え始めのことが多いです。
だからこそ、葉の先、下葉、葉の内側を見ます。

白斑葉枯病とは?症状と発生条件

白斑葉枯病は、主にBotrytis属菌によって発生する玉ねぎの重要病害です。Botrytis属菌はカビの仲間で、湿った条件で問題になりやすい病原菌です。

症状は、下位葉から出ることが多く、葉に白いかすり状の斑点が見られます。
斑点は円形から長円形になることがあり、進行すると葉先枯れや葉の枯死につながります。

最初は小さな白い点に見えるため、少し葉が傷んだだけに見えることもあります。
ただ、降雨後に白い斑点が増えてくるようなら注意が必要です。

白斑葉枯病が出やすい条件

  • 2日以上の連続降雨があった後
  • 10mm以上のまとまった雨があった後
  • 降雨後7日間
  • 平均気温18℃以上の温暖な日
  • 葉が濡れている時間が長いとき

白斑葉枯病は、発生してから慌てて止めるよりも、発生しやすい条件を見ながら予防的に防除を組む考え方が基本になります。

白斑葉枯病対策で使われる薬剤例

白斑葉枯病対策では、地域の防除暦や農薬登録を確認したうえで、次のような薬剤が候補になることがあります。

  • ベルクート水和剤/ベルクートフロアブル
  • シルバキュアフロアブル
  • フロンサイドSC
  • トップジンM水和剤
  • ミリオネアフロアブル
  • パレード20フロアブル
  • ファンタジスタ顆粒水和剤
  • スクレアフロアブル

ただし、ここで大事なのは薬剤名だけを見て選ばないことです。

QoI剤、SDHI剤、DMI剤などは、同じ系統の連用を避けることが重要です。
系統とは、ざっくり言うと薬剤の効き方のグループです。
同じ効き方の薬剤ばかり使うと、病原菌側が慣れてしまい、効きにくくなるリスクがあります。

防除薬剤を探す場合は、必ず最新ラベルで「たまねぎ」と「白斑葉枯病」への登録、希釈倍率、収穫前日数、使用回数を確認したうえで選びましょう。

小菌核病とは?白斑葉枯病との違い

小菌核病は、Ciborinia alliiという病原菌によって起こる葉枯性の病害です。
葉枯性とは、葉に病斑が出て、進むと葉が枯れていくタイプの病気です。

白斑葉枯病と同じように下位葉から発生しやすいため、
現場では見分けに迷うことがあります。

小菌核病の初期症状は、小豆粒くらいの白色病斑として見えることがあります。
その後、病斑が縦長に広がり、進行すると病斑より上の部分が黄白色から灰褐色になり、枯れて垂れることがあります。

病葉の内側に白色の綿毛状の菌糸が出ることがあり、さらに黒色で1〜7mm程度の薄片状の菌核を作ることもあります。菌核とは、病原菌が生き残るためにつくる固まりのようなものです。これが残ると、次の発生源になることがあります。

小菌核病が出やすい条件

  • 15℃前後の低温気味の条件
  • 多湿
  • 曇雨天が続く
  • 5月下旬から6月上旬の降雨後
  • 下葉が込み合い、乾きにくい畑

たまねぎ小菌核病について、防除時期や白斑葉枯病との同時防除の考え方が整理されています。小菌核病と白斑葉枯病の両方に登録のある薬剤を使うと、散布回数を増やさず効率的に考えやすいです。

白斑葉枯病との見分け方

見るポイント 白斑葉枯病 小菌核病
初期症状 白いかすり状、円形から長円形の斑点 小豆粒程度の白色病斑
進行後 葉先枯れ、葉の枯死 病斑より上が黄白色から灰褐色になり垂れる
特徴 降雨後の初発確認が重要 白い菌糸や黒色の菌核が見られることがある
出やすい条件 降雨後、温暖、多湿 15℃前後、多湿、曇雨天

小菌核病対策で候補になる薬剤例

小菌核病では、白斑葉枯病との同時防除を考えやすい薬剤が候補になることがあります。

  • ベルクート系
  • シルバキュアフロアブル
  • ミリオネアフロアブル
  • パレード20フロアブル
  • ファンタジスタ顆粒水和剤
  • スクレアフロアブル

ただし、必ず確認したいのは次の3つです。

  • 小菌核病に登録があるか
  • 地域の防除暦に合っているか
  • 最新ラベルの使用条件に合っているか

「去年使えたから今年も大丈夫」と思い込みで使うのは危険です。農薬登録は変更されることがあります。

白斑葉枯病と小菌核病のどちらにも登録がある

ネギハモグリバエの症状と防除判断

ネギハモグリバエは、玉ねぎ、長ねぎ、ニラなどネギ類で問題になる害虫です。

成虫は葉に白い小さな点状の摂食痕や産卵痕を残します。
幼虫は葉の中に入り、細長い白い筋状の食害痕を作ります。

葉の中を潜るように食べるので、「ハモグリ」という名前がついています。
葉の中に潜ってしまうと、なかなか農薬効果が現れにくいとされています。。

ネギハモグリバエの見分け方

  • 葉に白い点状の傷がある
  • 葉の中に白い筋状の食害痕がある
  • 多発すると葉が白っぽく見える
  • 葉の表面ではなく、葉の内部が食べられているように見える

通常、生育期の玉ねぎでは、激発しなければ肥大への影響が大きくない場合もあります。ただし、高密度になると葉の機能低下や鱗茎の商品価値に影響することがあります。

大事なのは、初発を確認することです。ネギアザミウマと発生時期が重なることもあるため、圃場で両方の被害を見ながら防除を考える場面があります。

ネギハモグリバエ対策で候補になる薬剤例

ネギハモグリバエ対策では、登録内容を確認したうえで、次のような薬剤が候補になることがあります。

  • ディアナSC
  • リーフガード顆粒水和剤
  • ベネビアOD
  • アグロスリン乳剤、または同成分薬剤
  • アベンジャーフロアブル
  • アグリメック
  • グレーシア乳剤

ハモグリバエ類では、地域や害虫の系統によって薬剤感受性の低下が問題になることがあります。そのため、同じ薬剤や同じ系統の連用は避け、ローテーションを意識することが大切です。

葉の中に入る害虫なので、散布タイミングも重要です。発生が進みすぎてからでは、防除効果が見えにくい場合があります。

防除薬剤を探す場合は、最新ラベルで「たまねぎ」「ネギハモグリバエ」または該当害虫への登録を確認してから選びましょう。

ネギアザミウマの症状と6月上旬の注意点

ネギアザミウマは、玉ねぎ防除でかなり重要な害虫です。

成虫や幼虫が葉の表面をなめるように食害します。被害を受けた葉は、白いかすり状の斑点が多くなります。多発すると葉が白っぽくなり、葉が萎れたり枯れたりすることがあります。

初期の被害は、白斑葉枯病のような病斑と見間違えることもあります。病気なのか、虫の食害なのかを見るには、葉の表面のかすれ方や、虫そのものの有無を確認します。

ネギアザミウマが増えやすい条件

  • 高温
  • 少雨
  • 乾燥気味の年
  • 6月上旬から7月上旬に雨が少ない年
  • 周辺にネギ類や雑草が多い環境

ネギアザミウマは繁殖が早いため、低密度のうちに確認して防除判断をすることが大切です。見つけたときにはすでに増え始めている、ということもあります。
2025年は激発しましたね。。。

ネギアザミウマ対策で候補になる薬剤例

ネギアザミウマ対策では、登録内容を確認したうえで、次のような薬剤が候補になることがあります。

  • トクチオン乳剤
  • ジェイエース水溶剤
  • ディアナSC
  • リーフガード顆粒水和剤
  • アベンジャーフロアブル
  • ベネビアOD
  • アグリメック
  • グレーシア乳剤
  • ゲットアウトWDG
  • バイスロイド乳剤

ネギアザミウマは葉のすき間や株元に入り込みやすく、薬液がかかりにくいことがあります。茎葉量が増えてきたら、散布水量やかかり方を意識したいところです。

また、ミツバチなど訪花昆虫への影響、周辺作物への飛散、同一系統の連用にも注意が必要です。

防除薬剤を購入する前に、必ず最新ラベルで「たまねぎ」と「ネギアザミウマ」への登録、使用回数、収穫前日数、希釈倍率を確認してください。

6月上旬の防除で失敗しやすいこと

6月上旬の玉ねぎ防除で失敗しやすいのは、薬剤の選び方そのものよりも、確認の遅れです。

  • 病斑が出てから初めて防除を考える
  • 降雨後の確認が遅れる
  • 白斑葉枯病と小菌核病の症状を混同する
  • アザミウマの初期被害を見逃す
  • 同じ系統の農薬を連用する
  • ラベル確認をせずに古い情報で散布する
  • 高温時や乾きにくい時間帯に散布して薬害リスクを高める

特に降雨後は、畑の確認を後回しにしないことが大事です。

白斑葉枯病は、雨のあとに初発確認が重要になります。小菌核病は、低温多湿や曇雨天が続く条件で注意が必要です。ネギアザミウマは、高温少雨で早めに動くことがあります。

同じ6月上旬でも、年によって見るポイントは変わります。

農薬を選ぶ前に必ず確認したいこと

農薬を選ぶ前には、次の項目を必ず確認してください。

  • 対象作物が「たまねぎ」または該当する鱗茎類になっているか
  • 対象病害虫に登録があるか
  • 希釈倍率は合っているか
  • 使用時期、収穫前日数は問題ないか
  • 使用回数を超えないか
  • 同一成分・同一系統の総使用回数は問題ないか
  • 混用してよい組み合わせか
  • 展着剤が必要か、または使用できるか
  • ミツバチや周辺作物への影響はないか
  • 地域の防除暦、JA、普及センター情報と合っているか

家庭菜園の場合も同じです。むしろ家庭菜園では、作物名の登録を見落としがちです。

長ねぎに使えるから玉ねぎにも使える、とは限りません。ニラに使えるから玉ねぎにも使える、でもありません。作物名は必ず確認してください。

家庭菜園で玉ねぎ・長ねぎ・ニラを育てている人へ

家庭菜園でも、6月上旬は葉の確認を始めたい時期です。

特に、玉ねぎの近くに長ねぎやニラを植えている場合は、ネギアザミウマやネギハモグリバエの発生を一緒に確認しましょう。

見る場所は、葉の先だけではありません。葉の中ほど、葉の重なり、株元に近い部分も見ます。

  • 白いかすり状の斑点が増えていないか
  • 葉に白い筋状の食害痕がないか
  • 小さな虫が葉のすき間にいないか
  • 下葉に白い病斑や枯れ込みがないか
  • 雨のあとに急に葉の傷みが増えていないか

家庭菜園では、いきなり農薬を使う前に、被害葉を取り除く、風通しをよくする、周辺の雑草を整理する、といった管理も大切です。

ただし、被害が広がっている場合や、毎年同じ害虫で困っている場合は、登録のある薬剤を確認したうえで防除を検討するのも選択肢です。

まとめ|6月上旬は「雨のあと」と「白い症状」を見逃さない

6月上旬の玉ねぎ防除では、白斑葉枯病・小菌核病は降雨と多湿条件を見ながら、予防的に考えることが大切です。

白斑葉枯病は、降雨後の初発確認がポイントになります。小菌核病は、15℃前後で多湿、曇雨天が続く条件で注意したい病害です。

ネギハモグリバエは、白い点状の食痕や線状の食害痕を確認します。
ネギアザミウマは、高温少雨の年に早まりやすく、白いかすり状の被害を見逃さないことが大切です。

農薬は便利ですが、登録内容や使用回数は変わることがあります。購入・使用前には、必ず最新ラベルと農薬登録情報を確認してください。

家庭菜園でも、玉ねぎだけでなく、周辺の長ねぎ・ニラを含めて観察すると早期発見につながります。

6月上旬の防除は、薬剤を選ぶ前に畑を見ることから始まります。葉を見て、天気を見て、去年の感覚だけで決めない。地味ですが、ここが一番大事です!

皆さんで美味しい玉葱を作りましょう!!

参考資料

  • 北海道病害虫防除関連資料
  • 北海道「たまねぎ 総合防除計画」白斑葉枯病の初発モニタリングに関する記載
  • 北海道立総合研究機構「たまねぎ小菌核病防除対策」関連資料
  • 農林水産省 農薬登録情報提供システム
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