家庭菜園の追肥肥料に何を使う? チッソ肥料5種類の違いと選び方

家庭菜園
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家庭菜園をしていると、野菜の葉色が薄くなったり、
なんとなく生育が弱くなったりすることがありませんか?

私はよくあります。(恥)

こんにちはチーパパです。

そんなときに一番頭に浮かぶのが、チッソの追肥です。
(肥料として一番反応が見やすいのがチッソと言われています)

私も前回、プランターで育てていたスナップエンドウの調子が悪くなったときに、
チッソ肥料の追肥を行いました。

虫害、根傷み、水切れ、過湿、気温、病気、肥料切れなど、原因はいくつも考えられます。特にスナップエンドウはマメ科の野菜なので、本来はチッソを多く必要としすぎる作物ではありません。(でもなんとかしたくて)

今回は、ネットでも購入しやすいチッソ系肥料として、硫安、尿素、硝酸カルシウム、石灰窒素、被覆尿素の違いを整理します。

めちゃめちゃすぐに効かせたい! → 硝酸カルシウム!
ちょっと急いでいる!      → 硫安!
水分あるし急いでいる!     → 尿素!

最後まで読むのがめんどくさい!って方ははとりあえずこのイメージで!!

チッソ肥料とは何か

チッソは、植物の葉や茎の生長に大きく関わる肥料成分です。

肥料袋に書かれているN・P・Kのうち、Nがチッソです。

  • N:チッソ
  • P:リン酸
  • K:カリ

チッソは、葉色、株の勢い、生育スピードに関係します。

不足すると、葉色が薄くなったり、生育が遅くなったり、株全体に勢いがなくなったりすることがあります。

ただし、チッソは多ければよいというものではありません。

チッソが多すぎると、葉や茎ばかりが茂って、実つきが悪くなることがあります。
また、茎葉がやわらかくなり、病害虫に弱くなることもあります。

プランター栽培では、土の量が限られているため、肥料濃度が高くなりやすいです。追肥のつもりが肥料焼けになってしまうこともあるので、特に注意が必要です。

チッソ肥料を選ぶ前に見るポイント

チッソ肥料を選ぶときは、肥料名だけで選ぶより、どんな効き方をさせたいのかを考えることが大切です。

  • すぐに効かせたいのか
  • ゆっくり効かせたいのか
  • 長く効かせたいのか
  • プランター栽培なのか、露地栽培なのか
  • 葉物野菜なのか、実もの野菜なのか
  • カルシウムも補いたいのか
  • 作付け前の土づくりに使いたいのか
  • 追肥回数を減らしたいのか
  • 初心者でも扱いやすいか

同じチッソ肥料でも、硫安、尿素、硝酸カルシウム、石灰窒素、IB肥料では、効き方も使う場面も違います。

家庭菜園で使えるチッソ系肥料の比較

肥料名 主なチッソの形 効き方 向いている場面 注意点 初心者向き度
硫安 アンモニア態チッソ 比較的速効性 葉色を早めに戻したい追肥、露地栽培 連用すると土が酸性に傾きやすい
尿素 尿素態チッソ 分解後に効くためやや遅い 少量でチッソを補いたい、コスパ重視 高成分なので入れすぎ注意
硝酸カルシウム 硝酸態チッソ 速効性が高い チッソとカルシウムを一緒に補いたい 水で流れやすく、チッソ過多にも注意
石灰窒素 シアナミド態チッソ 分解してから効く 作付け前の土づくり、残さ分解 作物に直接触れると障害が出ることがある
IB肥料 IBチッソ ゆっくり効く緩効性 肥料切れを防ぎたい、安定して効かせたい すぐ効かせたい場面には向かない 中〜高

硫安とは

硫安は、硫酸アンモニウムのことです。

アンモニア態チッソを含む肥料で、比較的速効性があります。畑作物の追肥にもよく使われる肥料です。

チッソ成分は約21%で、尿素よりは低いですが、その分、極端に高濃度になりにくく、畑では使いやすい肥料です。

ただし、硫安には副成分として硫酸根が含まれます。使い続けると土壌が酸性に傾きやすいので、連用には注意が必要です。

硫安を選びやすい場面

  • 葉色が薄く、早めにチッソを効かせたい
  • 露地の畑で追肥したい
  • 葉物野菜や生育を戻したい野菜に少量使いたい
  • 価格を抑えてチッソを補いたい

硫安を避けたい、注意したい場面

  • 土壌が酸性に傾いている
  • 石灰をまいた直後
  • プランターで入れすぎになりそうな場合
  • スナップエンドウなどマメ科野菜に多く入れようとしている場合

尿素とは

尿素は、チッソ成分が高い肥料です。

チッソ成分は約46%あり、硫安の倍以上のチッソを含みます。少量でもチッソ量が多いので、コスパのよい肥料として使われます。

ただし、尿素は土の中で分解され、アンモニアになってから効きます。そのため、硫安に比べるとやや遅れて効くイメージです。

水に溶けやすく、液肥的に使われることもありますが、濃度を間違えると肥料焼けの原因になります。

家庭菜園では、目分量で多めに使うのは危険です。

尿素を選びやすい場面

  • 少量でチッソを補いたい
  • コスパよくチッソ肥料を使いたい
  • 追肥や液肥的な使い方をしたい
  • 肥料の扱いに少し慣れている

尿素を避けたい、注意したい場面

  • 初心者が目分量で使う場合
  • プランターで濃くなりすぎる場合
  • 弱った株に強く効かせようとする場合
  • 石灰資材をまいた直後

硝酸カルシウムとは

硝酸カルシウムは、硝酸態チッソとカルシウムを補給できる肥料です。

硝酸態チッソは、作物に吸収されやすく、速効性が高いチッソです。すぐに効かせたい場面では選択肢になります。

さらに、カルシウムも補給できるため、トマト、ピーマン、ナスなどの実もの野菜で、カルシウム不足が気になる場合にも使いやすい肥料です。

トマトの尻腐れ対策として、カルシウムを意識する人も多いと思います。
ただし、尻腐れはカルシウムの量だけでなく、水分管理や根の状態も関係します。

硝酸カルシウムを選びやすい場面

  • すぐに効くチッソを補いたい
  • カルシウムも一緒に補いたい
  • トマトやピーマンなどでカルシウム不足が気になる
  • 水耕栽培や液肥的な管理に使いたい

硝酸カルシウムを避けたい、注意したい場面

  • 雨が多く流亡しやすい時期
  • チッソをこれ以上効かせたくない作物
  • 葉ばかり茂っている野菜
  • マメ科野菜に多く使う場合

石灰窒素とは

石灰窒素は、チッソ肥料でありながら、石灰効果や土づくり効果も期待できる肥料です。

主なチッソの形はシアナミド態チッソです。土壌中で分解されてから効くため、すぐに効く肥料ではありません。

石灰窒素は、作付け前の土づくりに向いています。残さの分解を進めたいときや、畑の準備段階でチッソと石灰分を入れたいときに選択肢になります。

一方で、作物に直接触れると障害が出ることがあります。
散布後すぐに種まきや植え付けをするのも避ける必要があります。

家庭菜園初心者が、植え付け済みの野菜への追肥として使うには注意が必要です。

石灰窒素を選びやすい場面

  • 作付け前の土づくりをしたい
  • 畑の準備段階でチッソと石灰分を入れたい
  • 残さの分解を進めたい
  • すぐ植えない畑で使いたい

石灰窒素を避けたい、注意したい場面

  • 植え付け済みの野菜への追肥
  • プランター栽培
  • 種まき直前、植え付け直前
  • 初心者が使い方を確認せずに使う場合

IB肥料とは

IB肥料は、イソブチルアルデヒド縮合尿素を含む緩効性肥料です。

名前だけ見ると、難しく感じますが、そんな事はありません・

IB肥料は、尿素をもとにしたチッソを、水に溶けにくい形にした肥料です。

普通の尿素は水に溶けやすく、土の中で比較的早く分解されて効いていきます。
一方、IB肥料はチッソ成分そのものが水に溶けにくいため、少しずつ分解されながら、
じわじわ効いていきます。

たとえるなら、普通の尿素は砂糖のように水に溶けやすい肥料です。
IB肥料は、固いアメのように少しずつ溶けていく肥料です。

ここで大事なのは、IB肥料は被覆尿素とは仕組みが違うということです。

被覆尿素は、尿素の粒を膜で包み、膜の中からチッソを少しずつ出す肥料です。カプセル薬のようなイメージです。

一方、IB肥料は膜で包んでいるわけではありません。チッソそのものが水に溶けにくい形になっているため、ゆっくり効きます。

つまり、IB肥料は中身自体がゆっくり溶ける肥料、被覆尿素は外側の膜でゆっくり出す肥料です。似ていますが、仕組みは別物です。

家庭菜園では、急いで効かせたい場面よりも、元肥や追肥でじわじわ長く効かせたい場面に向いています。

IB肥料を選びやすい場面

  • ゆっくり長く効かせたい
  • 肥料切れを防ぎたい
  • 追肥回数を減らしたい
  • プランターや鉢植えで安定して効かせたい
  • 元肥としてじわじわ効く肥料を使いたい
  • 硫安や尿素のような単肥を使うのが少し不安

IB肥料を避けたい、注意したい場面

  • 今すぐ葉色を戻したい
  • 急いでチッソを効かせたい
  • 価格をできるだけ抑えたい
  • 肥効の速さを期待して追肥したい場合
  • 弱った株をすぐ回復させたい場合

肥効の違いをざっくり比較

チッソ肥料は、同じチッソでも効き方の速さが違います。

  • 硝酸カルシウム:速効性が高い。硝酸態チッソなので吸収されやすい
  • 硫安:比較的速効性。アンモニア態チッソとして効く
  • 尿素:やや遅効性。土壌中で分解してから効く
  • 石灰窒素:遅効性、または緩効的。分解に時間がかかる
  • IB肥料:緩効性。水に溶けにくいチッソが少しずつ分解され、じわじわ効く

ただし、これはあくまで目安です。

気温、土壌水分、土の状態、商品設計によって効き方は変わります。特に尿素、石灰窒素、IB肥料は、分解に関わる土壌条件の影響を受けます。

こんなときはどれを選ぶ?

場面 選びやすい肥料 理由
葉色が薄く、早めに効かせたい 硫安 比較的速効性があり、追肥に使いやすい
チッソとカルシウムを一緒に補いたい 硝酸カルシウム 硝酸態チッソとカルシウムを補給できる
少量でチッソを補いたい、コスパ重視 尿素 チッソ成分が高く、少量でも効く
作付け前の土づくりをしたい 石灰窒素 チッソ、石灰効果、土づくり目的で使いやすい
ゆっくり長く効かせたい IB肥料 水に溶けにくいチッソがじわじわ効く
追肥回数を減らしたい IB肥料 肥料切れを防ぎながら安定して効かせやすい
プランターで失敗したくない 家庭菜園用液肥、少量タイプ、IB肥料 単肥は濃度が高くなりやすいため慎重に使う
マメ科野菜に追肥したい 硫安や尿素を少量 チッソを入れすぎないことが大切
石灰をまいた直後 硫安、尿素は避ける アンモニアガスとしてチッソが逃げる可能性がある
作期が長い野菜に使いたい IB肥料 肥料切れを防ぎやすい

スナップエンドウに追肥したときの考え方

今回、スナップエンドウの調子が悪くなったときに、チッソ肥料の追肥を行いました。

ただ、スナップエンドウはマメ科の野菜です。マメ科は根粒菌の働きによって、ある程度チッソをまかなう力があります。

そのため、スナップエンドウにチッソを多く与えすぎると、葉やつるばかりが伸びる可能性があります。

葉色が薄い、生育が弱いと感じても、すぐにチッソ不足と決めつけないことが大切です。

  • 根が傷んでいないか
  • 水切れしていないか
  • 過湿になっていないか
  • 虫に食べられていないか
  • 病気が出ていないか
  • 気温の影響を受けていないか

これらを確認したうえで、追肥するなら少量から様子を見るのが安全です。

硫安や尿素を使う場合は、プランターでは特に控えめにします。IB肥料はゆっくり効くため、弱った株をすぐ回復させる目的には向きません。

家庭菜園でチッソ肥料を使うときの注意点

チッソ肥料は便利ですが、使い方を間違えると失敗につながります。

  • 入れすぎない
  • 株元に直接当てない
  • 乾いた土に濃い肥料を入れない
  • まいた後は軽く水をやる
  • プランターでは肥料濃度が上がりやすい
  • 石灰資材と同時に使わない
  • 肥料袋の使用量を必ず確認する
  • 単肥は少量から試す
  • IB肥料はすぐ効く肥料ではないと理解して使う
  • 石灰窒素は作付け前に使う肥料として考える

特に、硫安や尿素は石灰資材(生石灰)と同時に使わないようにします。

石灰資材(生石灰)をまいた直後に硫安や尿素を使うと、
アンモニアガスが発生してチッソが逃げる可能性があります。

石灰資材を使った後は、少し期間を空けてからチッソ肥料を使うと安心です。

ネットで買うときの選び方

家庭菜園向けにネットで買う場合は、
大袋よりも扱いやすさを優先した方が失敗しにくいです。

  • 少量サイズがあるものを選ぶ
  • 家庭菜園用として販売されているものを選ぶ
  • 説明書きが分かりやすいものを選ぶ
  • 保管しやすい袋やチャック付きの商品を選ぶ
  • IB肥料は緩効性肥料として販売されている商品を選ぶ
  • 石灰窒素は使用時期と注意点が明記されている商品を選ぶ

硫安や尿素は価格が安く、チッソ補給には便利です。
(尿素は最近お得感は低いかもしれないですね)

硝酸カルシウムは、カルシウムも一緒に補いたいときに選択肢になります。

石灰窒素は、追肥用ではなく、基本は作付け前の土づくり用として考えます。

IB肥料は、ゆっくり長く効かせたいときに便利です。すぐに効かせる肥料ではなく、安定して効かせる肥料として選びましょう。

まとめ

チッソ肥料は、葉や茎の生育を支える大切な肥料です。

追肥で使うなら硫安、尿素、硝酸カルシウムが選択肢に挙がります!

ただし、硫安、尿素、硝酸カルシウム、石灰窒素、IB肥料では、効き方も使う場面も違います。

  • 早めに効かせたいなら硫安
  • チッソとカルシウムを一緒に補いたいなら硝酸カルシウム
  • 少量でチッソを補いたいなら尿素
  • 作付け前の土づくりなら石灰窒素
  • ゆっくり長く効かせたいならIB肥料

スナップエンドウのようなマメ科野菜では、チッソの入れすぎに注意が必要です。

弱ったからといって、チッソ肥料をたくさん入れればよいわけではありません。

葉色、生育、根の状態、水分、虫害、病気などを確認しながら、必要なときに少量ずつ使うことが大切です。

家庭菜園では、肥料を入れる勇気より、入れすぎない冷静さの方が大事なこともあります。

皆さんで美味しい作物を作りましょう!

参考資料

  • 肥料便覧(第6版) 編 塩崎尚郎
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